今年10月に実施される消費税の増税、8%から10%と小幅であるものの短期的には景気を冷やすことは間違いないでしょう。
しかし株式相場では全ての株式が下落する訳ではなく、増税によって恩恵を受ける銘柄もあります。
実施まであと3か月となった今から投資するには、何をポイントに銘柄選択をすれば良いのでしょうか。
米中貿易戦争によって株価が低調な今だからこそ仕込んでおきたい、お勧め銘柄をご紹介します。

目次
消費増税で恩恵を受けるのはどんな業種か
これまで消費税は3%で始まり5% → 8%と増税され、今回は10%に引上げられます。
これまでの経験から、増税前の早い時点と実施前後で恩恵を受ける銘柄が変わることが知られています。
実施まであと3か月となった今からであれば、実施前後に恩恵を受ける銘柄を狙うことが重要です。
増税前の早い時点で恩恵を受けた銘柄
2%と小幅な増税であるものの、金額が大きな商品には購入金額に差が出ます。
増税前の早い段階で株価上昇の恩恵を受けた銘柄は、いわゆる「駆け込み需要」で潤った銘柄です。
・ 自動車系:トヨタ、アップルインター(中古車買い取り)など
・ 家電系:ビックカメラやノジマなど
これら銘柄はすでに消費増税の恩恵を受けた、「過去形」の銘柄として敬遠した方が良さそうです。
小売業にも要注意
スーパーやデパートなどの小売大手は、消費増税でマイナスはあるもののプラスに働く要因がなく、影響が薄まるまではジリ貧になっていく可能性があります。
また令和婚で値上がりしたブライダル関連も、駆け込み需要は一時的で恩恵を受けることはないでしょう。
実施前後で恩恵を受ける銘柄
実施前後で恩恵を受ける銘柄とは、増税商品と軽減税率商品とを分けて管理することに対応する会計システムに関連した銘柄です。
またポイント還元が予定されている、キャッシュレス決済に対応した銘柄も注目度が高くなります。
特にキャッシュレス化に絡む銘柄は、来年の東京オリンピック・パラリンピックで来日する外国人向けのキャッシュレス決済でも注目されるため、時価総額が小さい小型株でも大きな株価上昇期待が集まっています。
では、具体的にどんな銘柄が期待できるのでしょうか。
具体的に見ていきましょう。
今からでも間に合う、消費増税銘柄
昨年10月ごろは日経平均2万4,000円、現在は2万1,000円台と投資するにもバーが下がった感があります。
消費増税自体は景気を冷やすのですが、増税により恩恵を受ける銘柄は別です。
日経平均が下がったとしても資産を守る「負けない投資」のために、お勧め銘柄をご紹介します。
会計システム関連銘柄
【4684】オービック

CMでもお馴染みの会計ソフト「勘定奉行」を手掛ける【4733】OBCを関連会社に持つ、中堅企業に強い大手SIer。
業界全体が時流で潤う時は、業界NO1ではなく2番手3番手の企業が伸びしろを利用できるチャンスでもある。
ネットキャッシュフローも潤沢で、PER33倍ながら外国人投資家の注目度が高い銘柄です。
長期の上昇局面にあり、米中貿易摩擦による株価低迷で押し目買いのタイミングです。
【9928】ミロク情報サービス

こちらも「MJS」のCMで宣伝している会計ソフトの中堅企業です。
昨年30%超の株価下落を乗り越え、現在上場来高値を更新する上昇局面にあります。
【9698】クレオ

アマノ、ヤフー系で、企業の業務支援パッケージを取扱う会社。
ジャスダック上場で時価総額170億円、PER22倍と大手系列の力を使って大化け期待の小型株です。
キャッシュレス化関連銘柄
コンビニの「〇〇Pay」も始まり、プリペイド式やQPコード式のキャッシュレス決済が乱立しています。
しかしどのPayが勝者となるか見通しが立たず、Pay運営者となる銘柄は避けたいところです。
【3769】GMOペイメントゲートウェイ

ゆうちょ銀行「ゆうちょPay」や大手地銀の決済システムを手掛けるシステム会社。
複数の上場子会社を持ち時価総額5,500億円を越える大型株ながら、ネットキャッシュフロー潤沢で中長期の投資には向いている。
【2428】ウェルネット

コンビニ決済代行の大手、少額決済に向いているとされるキャッシュレス決済がより普及すれば、株価上昇の期待です。
なお前期は期待に応えられず減収減益決算を発表し、出遅れている銘柄です。
【4847】インテリジェント ウェイブ

カード決済システムで業界首位、サイバーセキュリティ関連ソフトも手掛け、東京オリンピックを見据えた複数のテーマにヒットする企業です。
昨年末の相場下落により買いやすくなり、上場来高値を狙える局面。出遅れ銘柄として注目です。
注目度の高い銘柄を9月までにチェックしよう
米中貿易戦争は交渉継続となったものの、世界景気を回復させるようなインパクトはなく、しばらく一定のレンジ内で株価も推移しそうです。
なおここでご紹介した情報系の小型株は配当の低さや、PER100倍超、上場来高値など、まだ成熟していない銘柄であることをご理解の上ご検討ください。
そんな中でも為替に左右されず、国内需要をしっかり掴む内需株としても消費続税銘柄は注目されています。
特にキャッシュレス化関連銘柄は、今年9月に開催するラグビーワールドカップで来日する外国人旅行者の恩恵を受け、注目度が上がります。
それまでに投資対象を選んでおきましょう。(執筆者:中野 徹)