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「大暴落時の大量買いを狙ってもできない」理由 リーマンショックでリアルに資産半減した筆者が解説

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「大暴落時の大量買いを狙ってもできない」理由 リーマンショックでリアルに資産半減した筆者が解説
「リーマンショック級の暴落があったら、貯め込んだ現金でリスク資産を全力買いしてやろう」

そろそろ暴落のチャンス、と考える人は多いと思います。

2019年8月現在、リーマンショック以降の上昇相場が10年近く続いているのも理由の1つでしょう。

しかし、現実的にはリーマンショック級を待っている状態の人が、いざその時にリスク資産を買うのは難しいのです。

筆者の投資歴は15年ほどあり、リーマンショックでリアルに資産半減も経験しています。

実際の体験も踏まえたうえで、歴史的暴落があった時に投資が難しい理由を説明いたします。

結論から書きますと、

歴史的暴落の時は「社会情勢も大変な状況で、株式投資どころじゃない」

というのが理由です。

社会情勢が大変であるというのは、リーマンショックから数年間を思い出すと分かりやすいと思います。

派遣村もニュースで話題になりました。

また、倒産やリストラで仕事がなくなることを余儀なくされた方も多いでしょう。

筆者も当時勤めていた会社が倒産し、暴落を待って買い向かうどころか、自分の仕事探しで精一杯でした。

2分くらいで読める内容ですし、投資をしている方も、現在検討している方も損はしない内容です。

リーマンショック級の 大暴落時の大量買い狙ってもできない理由

リーマンショックの時はどうであったのか

2008年のリーマンショックと金融危機で歴史的な暴落が起こりました。

結果として、発端となったアメリカだけではなく、日本も含め全世界の株式が半減しました。

また、REIT(リート:不動産投資信託)や債券も下がりました

チャートを通して過去を見ることは簡単ですが、人は意外にも昔を忘れるものです。

その時に投資をしていた人であれば、思い返すのも苦しいという人も多いかも知れませんね。

投資におけるリーマンショック前と後

リーマンショック前にも投資ブームがありました。

ライブドアショックもありましたが、株式投資から離れた人は少ないと思います。

当時は仮想通貨はなく、高いレバレッジをかけたFXが流行っていましたね。

トルコリラ、南アフリカランドも人気でした。

FXではかなりの人が相場から退場をしたのを覚えています。

また、かなり保守的なインデックス投資で積立投資していた人たちも、どんどん退場していきましたね。

そのような状況でしたので、新たに投資を始めようという人は激減しました。

リーマンショック前に投資を始めた人たちは、今も投資にあまり良いイメージは持っていないかも知れませんね。

当時は本当に底が見えず、資本主義ももはや終わったのかと思うような状況です。

筆者は積立投資を継続していましたが、マイナスの時期が4年ほど続いていました

底が見えない状況で一括投資は非常に難しい

絶好の時期になぜ積立投資かというと、ずっと株価が下がり続け底がまったく見えないため、一括投資はできなかったからです。

ネットを含めても、2008年9月の暴落以降で「ここがチャンス」と一括投資した人はほとんど見ません。

また、現在でもTwitterや投資ブログなどで、当時に大きく投資をして財を成したという人をほとんど見ません。

「トラウマを負うほどに強烈な下落と、底の無い不安感は体験してみないと分からない」

そういう類のものだと思います。

最終的には日経平均は1万円割れ、1ドル80円台という状況に慣れてしまう時期がきますが、その時代を生きている人間は「ここが底」とは思わず、「まだ下がるかも…」という意識をもっていました。

日経平均のチャート:日経平均が1万円以下だった時代

≪画像元:NIKKEI

ドル円のチャート:1ドル90円台が普通だった時代

≪画像元:外為どっとコム

思い出す限り、2008年8月から2012年12月までは、株価、為替ともに楽観的になれる部分はなかった気がします。

会話の中で「いくら何でも日経平均が8,000円は安過ぎる」という声は聞いても、実際にどんどん買ったという話は聞いていません

実際は、まだ下がる可能性ばかり考えて結局は買えない、これが現実です。

「どこまで下がるか分からない相場で投資ができなくても、多めに現金を用意していれば多少はリスク資産を買えるのではないか」

という意見もありそうです。

では、歴史的暴落があった際、容易にはリスク資産が買えないことも説明をしていきましょう。

歴史的暴落を待ってリスク資産を買うのは簡単ではない

歴史的大暴落の際は、勤め先やクライアントの倒産、リストラの危機

すでに書きましたが、リーマンショックでは多くの人が会社の倒産やリストラを経験しました。

自分がそういったこととは無関係でも、周囲の人を見ていて自分だけは何があっても大丈夫という人は少数でしょう。

歴史的暴落下では日々の生活さえ不安定になる

リーマンショック当時の2008~2011年頃を思い出して欲しいのですが、特徴的なのは以下のようなことです。

・ 自動車メーカーでさえ一時帰休を利用した

・ 大手企業の工場でも一時帰休や休業が相次いだ

・ 中小企業では更に深刻な状況で給与減額、ボーナスカットも目立った

・ 2009年は新卒者の採用が見送られるケースが目立った(内定取り消しも)

給与が20%カットされたという話もよく聞きました。

そういう状況で最初に削るものは何でしょうか。

個人的には余剰金でおこなう投資があげられると思います。

特にボーナスは景気に連動をするケースが多いです。

ボーナスゼロでなくとも、ボーナスが半減した話はよく聞きました。

歴史的大暴落の際は、勤め先やクライアントの倒産、リストラの危機があります。

経済や雇用が縮小している中で、リスク資産を一気に買い付けるというのは「投資をする勇気があっても経済状態がそれを許さない」

というワケですね。

筆者は仕事柄、中小企業への営業が多く社長さんの話を聞く機会が多くあります。

体感として世の中のボーナス事情が戻ったのは2014年から2015年くらいでした。

ただし、少額でも積立投資を続けるのは有効だった

ただ、コツコツと本当に少額でも積立投資をしていると、安く資産を買える機会でもあります

「いつか暴落がきたら全力でリスク資産を買う」ではなく、経済情勢に合わせて支出をコンパクトにして少しでも投資を続ける、という対応こそが生き残る方法

だと思っています。

筆者は少ない収入の中から積立投資をしていたところ、実際には想像以上に資産額が増えました

暴落を待つ、というよりは投資を続けるということを意識していきたいですね。

まとめ

ここまでをおさらいしますと次の通りです。

・ 現在から過去だけを見ると絶好の買い場に見えるが現実は違う。

・ リーマンショックの時は、株価下落の底が見えなかった。

・ 日経平均が8,000円以下になっても、「まだ下がるかも」という心理状態が続いた。

・ 現金を多めに用意して大暴落の時にリスク資産を買うという方法はまともに見えるが、歴史的暴落の時には自身の生活が優先されて投資はままならない可能性がある。


投資の成功の秘訣は、とにかく市場に居続けることだと思います。

歴史的に見ると、株式は、リスクに対して投資をした者に相応の報いを提供してきました。

過去をみて暴落を待つよりも、

「将来も株式投資は明るい結果が見えそうだ」

そういった投資を続けていきたいですね。(執筆者:松崎 正義)


《松崎 正義》
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松崎 正義

就職氷河期世代の年収300万円サラリーマン。コツコツとインデックス運用を中心に15年以上投資をしています。 寄稿者にメッセージを送る

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