とはよく耳にしますが、実際いつ始めれば良いのか分からないというケースもよくあります。
ある程度たまったら…とは言ってもその「ある程度」の基準も特に決まったものがありません。
今回は預金・保険以外の資産運用を始めるタイミングの考え方についてご紹介します。

目次
年齢で区切るのは難しい。ライフプランに応じて
株式などの投資は早い人は10代から始めていますが、一生手を出さないという人もいるかもしれません。
一昔前は金利が良かったため銀行預金していれば安定的に資産が増えていき、インフレ(物価上昇)にも対応する事ができました。
真面目に働いていればある程度の生活はできたため、投資はそれ以上にお金を増やしたいという目的がある人が行うもの、という位置付けにありました。
しかし現代では銀行預金では資産が増えず、さらに賃金も下降傾向にあるため、真面目に働いていても普通の生活が維持できない可能性が出てきたのです。
こうなってしまうと、働いて稼げる金額と将来にかかる金額の差額を、何かしらの運用で埋める必要があります。
資産運用を始めるタイミング
個々にお金の価値観や経済状況が大きく異なるため、何歳になったら始めましょうという区切りをつけることができません。
例えば今500万円の貯金があったとしても収入が0円であれば投資にまわすのはリスクが高すぎます。
また、収入と貯金があっても数年後に子供の教育資金で使う、車を買うのに使うなど、近いうちにお金が出て行くタイミングが分かっているのであれば、その分を長期投資に回すことはできません。
やみくもに投資を始めてしまうよりは、何のためにいくら増やすかを明確にして行う事が理想です。
まずは自分自身や家庭の経済状況を洗い出し、今後の人生で必要となる金額と現在の状況との差を俯瞰する事が重要です。
そのためには、「ライフプラン表」や「キャッシュフロー表」と呼ばれる、人生設計とそれに伴うお金の流れを計算したものを作成する事が有効です。
インターネット上にも作成補助サイトがありますし、より正確なものを作りたい場合にはファイナンシャル・プランナーに相談するのがオススメです。
1年分の生活費がたまった時が目安。早ければ早い方が安定運用できる。
「ある程度たまったら」の1つの目安として、1年分の生活費がたまった時というのが考えられます。
万が一収入が途絶えたとき収入源を得られるまで数か月かかる可能性もありますし、冠婚葬祭が続くなどの急な出費の事を考えると、1年分の生活費は流動性の高い預金等で持っておいた方が安心です。
もちろん、そのような有事に現金がなくても投資信託や株を売れば良いとも考えられますが、そのタイミングで値下がりしていたら大損してしまいますのでオススメできません。
また、為替や株価の動きを見て底値(安い時)に買った方が良いのではないかと思われるかもしれませんが、安い時に買って高い時に売るのは初心者にはなかなか難しいものです。
それよりも、値動きにとらわれず毎月決まった額を積み立て投資していくと「ドルコスト平均法」によりリスクが抑えられます。
そのためタイミングを自分の感覚で決めようとせず、1年分の生活費がたまった時につみたてNISAやiDeCoの口座を開設して、次の月からは給料を積み立て投資にまわし始める事をオススメします。
また、内容にもよりますが投資は長期保有していた方がリスクを低減でき、リターンも安定しますので、少しでも早くスタートすることが重要です。
特に将来年金だけでは生活が成り立たないとされる若い世代や、老後資金がまだたまっていないという中年世代は早めに積み立て始める必要があります。

投資とともに保険も見直し!増やす事よりリスクヘッジが最優先
1年分の生活費がたまったら積み立て投資を始めようとお話ししましたが、投資の前に保険が足りているかの確認も必要です。
そもそも投資はリスクヘッジというよりも人生をより豊かにするためという性質が大きいものです。
老後資金や教育資金のために自ら増やしていくことは重要ですが、保険であればより大きなアクシデントに対する保障を得られます。
特に収入源が1人に限られている世帯は、投資よりもその1人に万が一の事があったときのための保険を用意する方が先決です。
投資はあくまでもリスクヘッジした上での余剰資金で行うものだという意識を持つ事が大切です。
余剰資金まで預金で眠らせるのは勿体ない
資産運用をしてみたいけれど良いタイミングがなくて二の足を踏んでいるという方も多いかもしれません。
当面の生活費と数年以内のライフイベント費用、万が一のための保険まで用意できたら、あとの余剰資金まで預金で眠らせるのは勿体ないと考えられます。
将来の生活を豊かにするために、お金にも働いてもらった方が有効活用できるのではないでしょうか。
資産運用は実際に始めてみることで分かることもあるので、生活費と保険が十分に用意できたタイミングで始めてみる事をオススメします。(執筆者:島村 妃奈)