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【資産運用】守りと攻めの両方を目指す「コア・サテライト戦略」 (3) サテライト投資の魅力

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【資産運用】守りと攻めの両方を目指す「コア・サテライト戦略」 (3) サテライト投資の魅力

今まで2回にわたって「コア・サテライト戦略」のコア投資に焦点をあてて述べてまいりました。



このコア投資はメリットだけではありません。

ここでは、コア投資のデメリットに触れたいと思います。

コア投資のデメリット

コア投資にもデメリットはある

インデックスファンドや積立投資には以下のようなデメリットもあります。

デメリット1:地味な投資で面白くない

インデックスファンドは、マーケットのほぼ全銘柄を時価総額の比率で機械的に購入していくので手間がかかりません。

しかし、自分の相場観を反映できずに退屈であり、投資の醍醐味というインセンティブに欠けます。

デメリット2:マーケット全体の動きとかけ離れることがある

インデックスファンドの投資の配分比率は時価総額を基準としているので、マーケット全体の動きとかけ離れることがあります。

たとえば、TOPIXは東証1部上場企業の全銘柄を網羅していますが、

値動きはトヨタやソフトバンクといった時価総額の大きい銘柄に左右され、小さな銘柄の値動きは無視される傾向

にあります。

新興のIT企業は、JASDAQや東証マザーズ等の新興市場の上場にとどまるか、あるいは東証1部に上場されていても時価総額で0.1%以下の無視されうる存在のことが多いのです。

デメリット3:投資家が銘柄やタイミングの選別能力を活かせない

インデックスファンドはマーケット全体の銘柄に分散しているので、確かにリスクは抑えられますが、大きなリターンは期待できずそこそこのリターンです。

マーケットの全銘柄に投資するので、投資家の銘柄選別能力を活かせません

また、積立投資は毎月一定金額を投資するので、安値で買って高値で売り大きな売買益を得るようなタイミングをとらえた投資はできません

デメリット4:上昇相場に弱い

積立投資はドルコスト平均法を活用するので、下げ相場では株価の安い時に多くの株数を買えるというメリットを得られますが、上げ相場では逆の結果になることがあります。

株価の上昇が続く場合には平均買い付け株価が徐々に高くなり、リターンもそれだけ小さなものになるのです。

上げ相場で大きく利益を得ることをもくろむ投資家にはもの足りないものです。

サテライト投資のメリット

今まで述べたように「リスクを抑えながら手堅く運用していくコア投資」にはデメリットもありますので、積極的な投資家にはもの足りないかもしれません。

そういった投資家のために「コア投資よりも高いリスクを取りながら、一方で高いリターンを目指すサテライト投資」があります。

コアサテライト攻略のイメージ

≪コア・サテライト戦略のイメージ図≫

サテライト投資には、上の図のようにさまざまな投資手段があります。

コア投資のデメリットを補完するには証券投資の中の株式投資がもっとも効果的だと思いますので、株式投資に焦点を当てて述べてまいります。

国内株だけではなく外国株投資も対象です。

株式投資には以下のような魅力があります。

魅力1:値上がり益(キャピタルゲイン)

株価が安いときに買って、値上がりしたときに売れば大きな売買益を期待できるので、値上がり益は株式投資の最大の魅力です。

株価変動にはいろいろな要因がありますが、長期で見れば企業業績がもっとも大きな要因です。

株価と利益の図表~利益伸び率と株価上昇率の関連

資産運用・管理の基礎知識より

参照:「資産運用・管理の基礎知識」日本証券アナリスト協会編

株価変動には多くの要因がありますが、長期的には株価は業績に連動して変動すると言われています。

上のグラフで示すように、5年以上の期間で見ると日経平均株価上昇率と経常利益伸び率のトレンドはほぼ連動しています。

したがって、

今後の会社の成長を期待できて業績が順調に伸びると予想される銘柄の株価は上昇する可能性が高くなり、絶好の投資対象

と言えるのです。

魅力2:配当(インカムゲイン)

通常は会社が儲けた利益の一部を株主に還元するために配当金として支払います。

本決算と中間決算の2回に分けて払うケースが多いと言えます。

現在の東証1部全銘柄の単純平均配当利回りは1.84%ですから、銀行金利や債券利回りに比べるときわめて魅力的です。

魅力3:会社との一体感

株主になると株主総会に出席して社長や他の経営陣から直接会社の業績や経営方針を聞けるという貴重な機会を与えられます。

また、株主総会では会社の経営方針に対して質問したり、賛否の表明もできます。

このように株主総会に出席することで会社との一体感が味わえます

サテライト投資の対象商品の中でこのように一体感を感じられるのはこの株式投資だけです。

魅力4:株主優待権利

株主優待は、会社が株主への利益還元や安定株主作りのために実施しているものですが、私の知る限り日本に特有の権利です。

会社の自社製品やサービスが贈られるというだけではなく、いろいろとユニークな株主還元も見られます。

ただし、最近は外国人株主との公平性を維持するため等の理由で株主優待制度を縮小・廃止るする会社も増えていますので注意が必要です。

コア投資はリスクに強い

3回にわたって「コア・サテライト戦略」について述べてきましたが、あらかじめ「コア投資」と「サテライト投資」への配分比率を決めておくことが大事です。

「コア投資」と「サテライト投資」の配分比率

配分の基本的な考え方は、

「守り」のコア投資

「攻め」のサテライト投資


のバランスです。

富裕層ではない通常の個人投資家は、コア投資を主として、

「コア」:7~10割

「サテライト」:0~3割

くらいを目安とするのがよいと私は考えております。

この配分比率は、個人の特性によってかなり違ってきます

株式投資が好きな人もいるし、嫌いな人もいます。

嫌いな人が無理して株式投資を行う必要はありません。

その他にも、投資家の年齢、資産額、投資目的、証券投資の経験やノウハウによっても違ってきます

若い方で将来の資産形成を目標にする場合には、コア投資だけで十分です。

コア投資で経験を積んでから、徐々にサテライト投資を開始しても遅くはありません。

資産に余裕があって資産形成より資産運用に興味をもっているという方が、株式投資をするのは悪くありません。

その場合には、リスク許容度の範囲内で株式投資をすることが賢明です。

リスク許容度

リスク許容度を考えて投資をする

リスク許容度とは、株価が一時的に3割~4割大暴落しても耐えられる限度額です。

当然ですが、資産のある人ほどリスク許容度は高くなります。

今回のコロナ危機により株価は大暴落して、今年の3月23日前後に日米を中心とする株式市場は最近の安値をつけました。

1月の高値から比較するとほとんどの銘柄の株価は3割以上値下がりし、半値になった銘柄も多くあります。

株式投資だけのポートフォリオはかなり大きなマイナス評価となりました。

このような暴落による大きな値下がりは株式投資を実践している限りにおいて避けられない宿命です。

一方、コア投資を実践しているお客のポートフォリオは値下がりを最小限に押さえられ、大半がプラスの評価を維持できました。

コア投資はリスクに強いことを実感できて、改めて個人投資家にふさわしいと確信しました。

証券投資未経験の方や証券投資で損ばかりしている方は、コア・サテライト戦略を検討されたらと思います。(執筆者:須原 國男)

《須原 國男》
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須原 國男

須原 國男

スハラFPコンサルタント代表、NPO法人「老いじたくあんしんねっと」会員 1968年慶応義塾大学卒業後、大和証券に入社。ノースウエスタン大学経営学部、大学院修了後に東京本店および海外店で日本株・外国株の推進業務に従事、その後大和総研に転籍して取締役として証券リサーチ業務に従事した。2009年より独立系ファイナンシャルプランナーとして活動している。得意分野はライフプラン、資産形成・資産運用及び遺言・相続問題のアドバイスで、個人相談、講演、執筆に従事している。 <保有資格>:シニア・プライベートバンカー(2019年12月時点で認定者は123名のみ)、日本証券アナリスト協会検定会員、CFP、第一種証券外務員資格(現在未登録)、宅地建物取引士(現在未登録)、MBA 寄稿者にメッセージを送る

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