Suicaなどの交通系電子マネーは、買い物にも便利です。一方で、楽天Edyやnanacoで電車に乗れたらいいのにと思う人も多いはずですが、そのような時代も、すぐにやってきそうです。

電子マネーではなくクレジットカードの話題ですが、VISAの「タッチ決済」で南海電車に乗れることになりました(2021年4月3日スタート)。

南海電鉄は、大阪・難波と和歌山市や高野山、関西空港を結んでいる大手私鉄です。

バスや中小私鉄では前例がありますが、大手私鉄では初の試みであり、今後全国に広がる可能性もあります。出張や旅行も徐々に復活していくなかで、関西空港に降り立つ全国の人にも利用機会がありそうです。

まだ期間を区切った実証実験段階ではあるものの、キャッシュレス派には期待の高まる取り組みです。

「タッチ決済」「QRコード決済」で電車に乗れる!

VISAタッチ決済について再確認

タッチ決済機能は、VISAブランドのクレジットカードに付いています。券面にタッチ決済のマークがあるカードがタッチ決済対応です。

レジにある、電子マネー端末にクレジットカードをタッチするだけで決済完了です。1万円まではサイン不要です。

タッチ決済の対応カードと対応店舗はどんどん増えていっています。Mastercardやアメックス、JCBにも同タイプの決済が登場していますが、「タッチ決済」はVISAの名称で、今回の実証実験もVISAが対象です。

クレジットカード以外にも、タッチ決済を使えるアイテムは多数あります。

・ VISAのプリペイドカード

・ VISAのデビットカード

・ (Androidスマートフォン)Google Pay

・ スマートリング(指輪)

・ スマートウォッチ

これらも、今回の南海電鉄実証実験において有効です。プリペイドカードやデビットカードなら、高校生以下でも持つことができます。

タッチ決済の注意点

タッチ決済の注意点は、

・ 電子マネーではないので、クレジットカードの場合には直接クレジット決済となる

・ レジスタッフには「VISAのタッチ決済で」と伝えるのが無難

カード紛失の際の不正利用には弱い(すぐに警察とカード会社に届け出れば、所有者が不正利用に責任を負うことはない)

ということです。

南海電車でタッチ決済を使うには

南海電鉄でタッチ決済実証実験
≪画像元:Nankai Electric Railway

タッチ決済による南海電車の改札通過について、利用方法を確認しましょう。

事業主体のひとつに三井住友カードが入っているのですが、楽天カードやイオンカード等、タッチ決済機能のあるVISAカードでもOKです。

・ 事前準備は不要(タッチ決済可能なVISAカードを持っていればいい)

・ 改札の、交通系電子マネーをタッチする箇所の上部または前部に、VISA用の端末がある。そちらに触れれば改札を通過できる

・ 下車駅の改札を通過する際に精算が行われる

・ 小児運賃には非対応

・ 南海電鉄の主要駅16駅限定

・ 改札も一部のみ対応(裏手の改札口には対応改札がないこともある)

交通系電子マネーよりはわずかに反応に時間が掛かりますが、戸惑うほどではないとされています。

南海電鉄で使える電子マネー

南海電鉄では自動改札を通過できる交通系電子マネーはすでに充実していて、JR西日本系のICOCAと、関西大手私鉄系のPiTaPaの両方が導入されています。

相互利用によって、SuicaやPASMOをはじめとする全国の交通系ICカードも利用できる状態です。この状態で、さらに互換性のない体系を導入するわけです。

関西空港にも直結する南海としては、アフターコロナで大きく期待されるインバウンドを見据えているようです。

実証実験はもうひとつ「南海デジタルチケット」

準備なく、クレジットカードでいきなり電車に乗れるタッチ決済はかなりインパクトのあるものですが、実はさらにもう1つの新たなシステムの導入が同時に図られています。

PayPay等でおなじみのQRコード決済を使った「南海デジタルチケット」です。VISAブランドのカードでチケット購入します。

こちらは、南海電鉄のアプリで、事前に購入したデジタルチケットで改札を通るというものです。デジタルチケットの第1弾として、4月から「時差通勤応援きっぷ」が発売されます。

QRコードの読み取り端末は、VISA端末と同じ位置に用意されていて、QRコードを読み取らせればOKです。キャッシュレス拡大につながる、この取り組みにも要注目です。(執筆者:沼島 まさし)