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FPのマイホーム購入「分譲マンションより戸建住宅を選んだ理由」 物件の条件と比較項目を解説

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FPのマイホーム購入「分譲マンションより戸建住宅を選んだ理由」 物件の条件と比較項目を解説

2018年に念願のマイホームを購入しました。

マイホームを購入に「正解」はありません。購入の際には、悩み「決断」をすることが多くあります。

私は同じ最寄り駅の戸建住宅と分譲マンションを比較検討し、戸建住宅を購入しました。

今まで20年以上、建築、不動産業業界に携わってきた私が家族と相談しながら戸建住宅を選んだ理由を紹介します。

FPのマイホーム購入 「分譲マンションより戸建住宅を選んだ理由」

物件の条件と候補選定

戸建住宅と分譲マンションを比較するに際し、下記を条件とします。

a. 条件

・ 毎月の返済額は同額(10万円)とします。

・ 戸建住宅は住宅ローンの返済額(10万円)のみですが、分譲マンションは住宅ローン返済額(8万円)と、管理費や修繕積立金の合計額(2万円)を同額とします。

・ 固定資産税額評価額、固定資産税額は双方同額とします。

・ 長期優良住宅などではない、通常レベルの住宅とします。

b. 候補を選定

・ 戸建住宅3,500万円(最寄り駅12分、130平方メートル、2階建て)

・ 分譲マンション2,850万円(最寄り駅4分、広さ100㎡、3SLDK、共益費1万円、修繕積立金1万円)

検討地域の割合は、戸建住宅95%で分譲マンション5%です。中部圏の地方都市で分譲マンションはありますが、田畑もある地域です。

戸建住宅と分譲マンションの比較(費用、条件)

戸建住宅と分譲マンションを比較した事柄を時系列に並べます。

1. 購入時(入居時)に比較したこと

マンションの駐車場

利便性(戸建住宅が優位)

駅からの近さは分譲マンションが優位です。しかし、駐車場への近さは戸建住宅に軍配が上がります。

地方都市では、自動車は必須アイテムです。エレベーターがあるとはいえ、車を降りてから玄関までの移動も利便性の1つだと考えました。

分譲マンションでは大型物件になるほど玄関から駐車場が離れていて、敷地内に借りられない可能性もあります

居住性(戸建住宅が優位)

広さは戸建住宅のほうが上です。しかし、階段のわずらわしさを考えると分譲マンションにも理があります。

また、トイレの数を気にしました。最近の戸建ては2か所が多いのですが、分譲マンションは1か所が主流です。

購入価格(戸建住宅が優位)

毎月支払う費用は同じなので、毎月の管理費や修繕積立金を踏まえると分譲マンションは購入価格が低くなります

管理費については、値上げ後のことを想定しました。詳しくは、次の記事を参照ください。



2. 入居中に想定されるコストの比較

入居中のランニングコストを比較しました。

火災保険、地震保険(分譲マンションが優位)

私が検討した火災保険は年払いのもで、

・ 戸建(在来工法):8万円

・ 戸建(省令準耐火構造):4万円

・ 分譲マンション:2万円

でした。

管理費(戸建住宅が優位)

戸建住宅には管理費の負担はありません。分譲マンションの管理費は、所有している間は払い続けなければなりません

固定資産税の減免措置(分譲マンションが優位)

戸建住宅が3年、分譲マンションは5年なので2年長く恩恵を受けられます。私は年15万円程の減税を想定しておりましたので、30万円程度優位ということです。

修繕積立金とリフォーム費用(外壁、同等程度)

私の感覚では、戸建住宅の外壁塗装は足場なども含めて100万円程度だと考えます。分譲マンションも外壁塗装がメインとなる初回大規模修繕工事は、1戸当たり100万円程度だと考えます。

リフォーム費用(内装、住宅設備 / 分譲マンションが優位)

これは個人の嗜好なので、比較は難しくほぼ同額としました。

ただし、キッチンやユニットバスなど戸建住宅よりは分譲マンションのサイズが小さいパターンが多いので、分譲マンションのほうが安価です。

リフォーム費用

修繕積立金(エレベーターなど共用部分の設備分 / 戸建住宅優位)

戸建住宅には必要ない費用です。分譲マンションでは年数が経つほど多額の費用が必要です。

ライフライン(分譲マンションが優位)

分譲マンションでは「規模の経済性」が発揮されます。

電気は「電力の一括購入」だと1戸当たりの費用は安くなります。水道は管理組合でまとめて水道料金を払い、各戸に請求している場合があります。この際の水道料金は、戸建住宅より割安です。

ただし、各戸には戸建住宅並みの水道料金を請求し、その差額を管理組合の管理費に充当している場合もあります。

分譲マンションは都市ガスの利用が多く、プロパンガスよりも安価です。

また、ケーブルテレビやインターネット等は、一般的に戸建住宅より分譲マンションの方が安価です。

3. 売却時を想定しての比較

売却時のことも比較しました。

流動性(築浅時は分譲マンション、古くなれば戸建住宅)

築浅時には分譲マンションのほうが市場性が高く売りやすいのですが、問題は築年数が経過して古くなった時です。

戸建住宅も分譲マンションも最終的には建物を解体して土地を売ることになりますが、戸建住宅の場合には所有者の一存で解体できます。

分譲マンションの建て替えや解体には、所有者の4/5以上の賛成が必要です。全国的に事例も少なく、意見集約も難しいと報告されています。

4. 個人的嗜好

私は高いところが苦手です。少なくとも4階以上には住みたくありません。オートロックや防犯カメラ等の防犯対策にもあまり関心がありません。

マイホーム購入後に転売する予定は今のところありません。不動産を子供に相続させることも考えました。

比較の検討材料に入れなかったもの

私は検討には加えませんでしたが、マイホーム購入予定者の相談業務や住宅営業の経験から比較の材料としてあがるものを並べてみました。

・ 建物の構造

・ 地盤、基礎

・ 眺望

・ 子供の学区

・ 風水

・ 町内会や管理組合役員等の役員の有無

相続までを考慮して悔いの残らない買い物を

私は1.~ 4.のことを踏まえて戸建住宅を選びました。

マイホームを購入される際には、いろいろな方面から検討されると思います。

不動産会社や建設会社には相談できますが、彼らの目的は売買を成立させることなので営利がからんできます。

購入時のライフスタイルから、相続までを考慮して悔いの残らない買い物をしてください。決断が難しいときには、営利が絡まないお金の専門家に相談すると決断の助けになります。(執筆者:金 弘碩)

《金 弘碩》
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金 弘碩

執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩 金 弘碩

すまいとくらし研究所 すまいとくらしカウンセラー 1975年 岐阜県生まれ。神奈川大学大学院経営学研究科修士課程終了。すまいの3要素。建物,土地,資金計画での実務経験(不動産,工務店勤務12年)と資格を持っています。すまいは一生に一度のお買い物ですが、ライフスタイルに沿って変わっていくものです。家族のイベントに毎に相談を承ります。お客様に寄り添いながら、すまいとくらしを支えます。 ≪保有資格≫ 二級建築士/宅地建物取引士 /公認不動産コンサルティングマスター/マンション管理士/賃貸不動産経営管理士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士 / CFP 寄稿者にメッセージを送る

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