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贈与税の申告をした人は全国で何万人で、どんな財産を譲り受けたのか 最も利用されている非課税特例制度も紹介

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贈与税の申告をした人は全国で何万人で、どんな財産を譲り受けたのか 最も利用されている非課税特例制度も紹介

贈与税に関する節税の話は耳にすることもありますが、実際に生前贈与をする人はあまり見かけませんよね。

贈与税の申告件数は意外と多く、現金以外の財産を贈与しているケースもあります。

そこで今回は、贈与税の申告件数と贈与財産の種類、そして贈与税の非課税特例を利用している人の数をご紹介します。

贈与税の申告書

贈与税の申告書の提出件数は53万以上

国税庁ホームページで公開されている「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について」によると、贈与税の申告書を提出している人は53万2,000人で、前年比で9.5%も増加しています。

全体の申告件数のうち、納税額が発生する申告書を提出している人は38万9,000人もいます。

贈与税は財産をもらった際に手続きする税金ですが、贈与を受けたとしても贈与税の税額が発生していなければ、基本的に申告手続きをする必要はありません。

しかし特例制度を適用する際は、納税額の有無に関係なく申告手続きが必須ですので、贈与税がゼロの人も多数申告書を提出しています。

参照:国税庁「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(pdf)

最も贈与されている財産は現金・預金

「第146回 国税庁統計年報告書(令和2年度版)」によると、令和2年分の贈与税の申告で最も多く贈与された財産の種類は現金・預金で、29万6,000人が贈与を受けていました。

現金・預金の次に多く贈与された財産は有価証券の8万6,000人、土地の贈与を受けて申告した人も7万6,000人と、現金・預金以外の贈与を受けた人も沢山います。

贈与できる財産に種類の制限はないため、上記の財産以外にも建物や生命保険などを贈与している人もいますし、複数の種類の財産を贈与しても問題ありません。

たとえば贈与税は、財産をもらった人が申告しなければならず、支払いは原則現金一括納付です。

不動産の贈与を受けた場合、贈与税の納税資金が不足してしまう可能性もあるため、不動産と一緒に預金を贈与するケースもあります。

よく利用されている非課税制度は「住宅取得等資金の非課税制度」

「第146回 国税庁統計年報告書(令和2年度版)」の資料では、贈与税の非課税制度の適用件数も公表されています。

親(孫)から子(孫・曾孫)への贈与時に適用できる非課税制度は3種類ありますが、令和2年分の適用件数は制度によって大きく異なります。

贈与税の非課税特例の適用件数・金額

特例制度の種類適用件数適用金額
住宅取得等資金の非課税制度6万142人6,797億9,600万円
教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度2万1,660人1,443億6,600万円
結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度363人16億7,200万円

参照元:国税庁「第146回 国税庁統計年報告書(令和2年度版)(pdf)

3種類の中で最も利用されている特例制度は「住宅取得等資金の非課税制度」で、非課税の適用を受けた金額は、6,797億9,600万円にもなります。

「教育資金の一括贈与に係る贈与税非課税制度」と「結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」は、同列で語られることの多い制度ですが、教育資金の非課税制度の方が適用者は圧倒的に多いです。

利用者が少ない制度は廃止になる可能性がある一方、富裕層を優遇していると判断した特例制度は、非課税控除額の縮小や適用要件が追加されることもあります。

住宅購入資金の援助を受けたので非課税特例を適用

知らないところで税金対策は行われている

贈与税の申告件数53万件も多いですが、所得税の申告件数は2,200万ですので、比較すると申告件数は40分の1以下です。

ただ贈与税は、贈与金額が110万円以内であれば申告する必要がないため、贈与が行われている件数は実際にはもっと多いです。

税金は知識が豊富な人ほど制度を活用することができますし、意外と利用しやすい贈与税の制度も多数存在しますので、うまく利用して贈与税を節税してください。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)

《平井 拓》
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平井 拓

執筆者:元税務署職員 平井 拓 平井 拓

12年勤務した税務署を退職し、ライターとして活動してます。税務署時代は資産課税部門に所属しており、相続税・贈与税・所得税が専門でした。 脱税は嫌いですが、節税は好きです。少しでも税金を身近に感じていただける文章をお届けします。 寄稿者にメッセージを送る

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