目次
視点1) 拠出期(いわゆる積み立てる時期)
まず選択制確定拠出年金制度一番目の税制優遇の視点は拠出期(いわゆる積み立てる時期)です。確定拠出年金として拠出する部分は税金・社会保険料が免除されます。
確定拠出年金は社会保険として自己努力として積み立てるという部分なので国としても「国民の自助努力に対する国の支援」という名目で優遇されるわけです。
これは逆に個人の視点よりも経営者の視点で見ると企業経営をしていく上での社会保険料を自助努力で積んでいく企業年金かわりということになりますのでかなり削減効果は大きく
なります。
ざっくりと試算してみると取締役3名、従業員10名の中小企業で取締役が3万円~5万円確定拠出年金に自身の報酬から積み立て、従業員が1万円~2万5,000円自身の報酬から積み立てしたケースでも会社全体での年間の社会保険料の削減効果は50万円強という試算が出ています。社会保険料をコストともしみる経営者がいるのであればこれは経営の視点からのキャッシュフロー効果としても大きいのではないかと考えます。
視点2) 運用期
また二番目の税制優遇の視点は運用期です。まず、運用中の金融商品の運用益が非課税になること。これはかなり大きいのではないかと思います。
個人的には一時、海外に非課税口座を作りにいかれる富裕層の方などが流行りましたが、日本国内で合法的に運用益が非課税にできる積み立て金融商品を利用できるのは意味があると思います。そして、投資信託の販売手数料(購入時手数料)が無料であること。
最後に保有中にかかるコストである運用管理費用(信託報酬)も一般に購入できる投資信託よりはかなり割安であることがあります。
ただ取り扱う金融機関によってはコスト、選択できる投資信託の種類にも色々あります。そこは事前に調べるべき取引金融機関のポイントだと思います。コストが安く分散投資するのに値する、幅広いラインナップの取り揃えのある金融機関を選ぶのが肝要でしょう。
視点2) 受け取り時
また三番目の税制優遇の視点は受け取り時です。一時金として受け取る時は退職所得扱いになるので退職所得控除という優遇措置があります。具体的には加入年数20年以下だと40万円×加入年数(最低80万円)加入年数20年超だと800万円+70万円×(加入年数ー20年)ということで加入年数が長ければ長い程控除額が増える計算になるのでお若い方程、早く入ると将来有利になってくる計算になります。
ただし転職等で過去に別の企業型の確定拠出年金、企業年金等に加入している場合はその年数もカウントしてくれる場合もあるので、受け取り時の個別具体的なお話はお近くの専門家の先生に聞いてみてください。(税理士・社会保険労務士等)
また年金形式で受け取る場合も公的年金等控除の対象になります。受け取り額から一定額が引かれた金額からの課税になるので税負担は優遇がない場合よりも手取りが増えることが想定されます。また詳しい公的年金控除の数字はコチラ にも掲載されてます。
さてここまで選択制確定拠出年金制度のメリット面ばかりお話してきましたが次回はデメリットについても解説したいと思います。