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共働き夫婦だと、家賃等の必要経費をそれぞれ家計に入れて、あとの財布は別々、というケースも少なくありません。しかし、その方法ではお金が貯まっていない人も多いんです。
もちろん、別財布方式で問題なく貯蓄ができている家庭ならそれでもいいのですが、
・共通の貯蓄というシステムを作っていない
・相手の収入や貯蓄額をまったく知らない
という人は、財布を一緒にした方がいいのではないでしょうか?
目次
別財布方式で出てくる「疑心暗鬼」と「甘え」
相手の収入が気になる!
相手の収入を知らなくても、「必要なお金だけお互い支払っていれば問題ない」とはじめは考えます。しかし、たとえば自分の収入が減ったときや、相手が高価なものを買っていたりすると、にわかに相手の収入が気になりだすものです。収入を教えてもらったとしても、給料明細や預金通帳を見せてもらわない限り、「本当はもっと稼いでいるのでは?
」なんて疑ってしまうこともあります。
向こうが貯金してるだろう♪
共通の貯蓄をしていない場合は特に、お互いがそれぞれ貯蓄しておくべきです。しかし、実際にはお互いに「向こうがしてくれているはず」と甘えが出てしまい、いざお金が必要になったときにお互い全然お金を持っていなかった、ということもあります。
節約よりも公平さを重視したくなる
夫婦別財布だと、「家賃や光熱費をそれぞれワリカンにして払う」とか、「家賃は夫で、水道光熱費と食費は妻」というように費目ごとに担当を決めておられたりするかと思います。しかし、この方法だと節約ではなく、互いの負担額が公平なのか、ということについて興味が向きがちです。
「食費ってそんなにかかる? 家賃を負担する方が損なのでは?」
など、お互いに自分の負担額が適切ではないのではないか、と不安になってしまいます。
一緒に節約して全体的に家計をコンパクトにすればいいのに、公平さばかりが気になってしまうんですね。
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実際、一方に負担が偏っていることも
妻が、個人の貯蓄を切り崩しているケース
別財布にしたが最後、妻が産休・育休をとっても、出産を機に退職したとしても、別財布方式が続く夫婦も少なくありません。夫は必要経費を家計に入れたら残りは自由に小遣いとして使っているのに、妻は独身時代の貯蓄を切り崩して、小遣いもなく苦しい思いをしていることがあります。
夫が、仕事に支障をきたすレベルで困窮しているケース
別財布と言っても、どちらかが必要な生活費を計算して相手に請求するわけですが、妻が過剰な金額を請求することによって、夫が自由に使える金額が極端に減ってしまい、昼食を抜いたりいつまでもボロボロのスーツを着ていたりと、仕事にまで支障をきたしていることもあります。
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お金が貯まらないなら財布をひとまとめにしよう!
一方で、「うちの夫はわたしの給料は知らないの」と言いながらもうまくいっている家庭もありますから、「何がなんでも財布をひとつにすべき!」とは言いません。
しかし、現実問題として貯蓄が全然ないとか、「もうちょっと増やせる気がしている」とか、今のままではマズイと感じていらっしゃるなら、勇気を出して財布を一つにした方がいいでしょう。
財布を一つにするには、自分の資産もすべてオープンにしなければならないためなかなか勇気が出ない人も多いかと思いますが、一度お互いの資産や収入の状況を棚卸しすることによって、適正な生活費や適正な貯蓄額が分かりますから、今よりずっとストレスなく、楽に家計管理ができるようになるはずですよ。(執筆者:吉見 夏実)