日経平均が2万を超え、景気の良いニュースもよく聞くようになりましたが、一般家庭ではまだまだその恩恵を受けられていないのが実際のところです。
それどころか、増税や相次ぐ値上げのせいで、家計はより苦しくなっています。こういう状況のとき、「ラチェット効果」が働きます。
目次
ラチェット効果とは?
増税などで実質的には使えるお金は減ることになります。でも、使えるお金が減ったとしても、簡単に支出を減らすことはできません。結局、手元にお金がなくても貯金を取り崩したりして今までと同じようにお金を使ってしまうということがよくあります。
これを、経済学の言葉で「ラチェット効果」と呼びます。
ラチェット効果が働くことによって景気を支えることができる、というわけなんですが、個人レベルで考えると、がんばって貯めてきたお金を取り崩すなんて、できれば避けたいですよね。
では、どうすれば貯蓄を取り崩さずに踏みとどまることができるのでしょうか?
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生活費は削りにくい!
洋服代やレジャー代など、いわゆる「贅沢」に該当するようなものは、意識して減らすこともできます。「消費税が上がったからちょっと安い服を買おう」とか、「遊園地ではなく、格安な動物園にしておこう」など、ちょっとした工夫で節約できます。
ところが、食費や光熱費など、生活に密接に関わっている支出に関しては、安易に削ることもできないため、家計を圧迫してしまいます。
いくら野菜が値上がりしていても、野菜を食べずに健康を損ねてしまっては本末転倒です。でも、かと言って今まで通りに買い物をしていれば、家計が赤字になり貯蓄を取り崩すことになります。
食費・光熱費のムダを省こう
家庭によっては、今までのムダ遣いをやめるだけでも、増税や値上がり分の支出をカットできることもあります。
食材のムダをなくそう!
買った食材を腐らせてしまったりして廃棄していると、お財布にも環境にも優しくありません。コツは、「冷蔵庫がほとんど空っぽになってから買い物に行く」こと。
まだ食材がいろいろあるなら、とりあえずあるもので献立を考えるクセをつけるようにしてください。
⇒今まで5%の廃棄が出ていた家庭で0%にできれば、食費も5%減ります!(食費が50,000円なら2,500円の節約に)
食べ過ぎをなくそう!
成長期のお子さんにはたくさん食べてもらいたいですが、成人の場合はそこまでたくさん食べる必要はありません。
特に、メタボが気になる男性やスタイルを気にしている女性なら、腹八分目を意識したりおやつをやめたりするだけでも節約になります。
⇒腹十分目を八分目に変えれば、食費も8割になります!
電気のつけっぱなしをやめよう!
意識していないと、電気のつけっぱなし、テレビのつけっぱなしというをやってしまいがちです。自分だけでなく、家族にも意識してもらえるのがいいですね。いちいちコンセントから抜くのは面倒なので、スイッチ付き電源タップを使うのがおすすめですよ。
⇒待機電力をすべてカットできれば、電気代が6%節約できます!(1か月10,000円なら600円の節約)
ガスはこまめにオフしよう!
最近の設備は違うのですが、古いものだと、ガスの電源を入れていると「種火がついたまま」となり、ガス代が余計にかかってしまいます。
また、最新のものだと使うときだけガスを使いますが、それでもレバーが給湯側に傾いているとお湯が沸かされてしまうことがありますので、最新のものでもこまめに電源をオフするのがおすすめです。
⇒ガス代が7,000円の家庭で3%カットできれば、210円の節約に!
節水しよう!
お風呂のシャワーには節水シャワーヘッドを付ける、浴槽のお湯は少なめにして半身浴をする、手洗い・歯みがきのときにもその都度蛇口を閉めるなど、節水を心がけましょう。
⇒水道使用量を10%減らすことができれば、5,000円の家庭で500円の節約に!
貯蓄は見えないところに移そう
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貯蓄を取り崩してしまうのは、「お金が足りないから」ではありますが、それだけではないと思います。「そこにお金があるから」ではないでしょうか?
貯蓄が無ければ、手元にあるお金でやりくりしなければならないので自然と節約を心掛けるようになりますよね。
もし、給与口座など普段よく使う口座で貯蓄をされている方がいれば、その貯蓄を別のところに移してしまいましょう!
今ある貯蓄を当面使う予定が無いのであれば、定期預金に入れてしまうのもおすすめです。定期預金だと、途中で解約してしまうと定期預金の利率が適用されなくなってしまうので、なんとか解約せずに済むように節約を頑張れるようになります。
さらに、キャッシュカードを作っていない口座を使う、近所に支店が無い銀行の口座を使う、というのもおすすめです。手軽に引き出せない状況を作ってしまえば、がんばって貯めてきた貯蓄を守り抜くことができますよ。
我が家でも、昨年の増税後しばらくはまんまとラチェット効果にハマってしまい、数千円レベルで支出が増えてしまいましたが、なんとかやりくりして元の支出額におさえられるようになりました。
普段の生活費の中にあるムダを省くことで、生活レベルを下げなくても支出を減らすことはできるので、ぜひ普段の生活を見なおしてみましょう!(執筆者:吉見 夏実)