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夫婦の家計管理の方法で、一番いいのは二人の収入も通帳もすべてオープンにして、一括で管理することです。しかし、実際には通帳を渡してしまうことに抵抗がある方もいらっしゃいますよね。わりと多いのは、「妻は夫の通帳を預かって一括で家計管理をしたいが、夫はそれに抵抗がある」というパターンです。
そこで、今回は、夫から通帳を預かることなく、かつ隠し事なく、スマートに家計管理をする方法を紹介したいと思います!
目次
生活費をもらうだけでは不十分
妻が家計を管理しているという夫婦でも、すべて妻が預かるのではなく、生活費分だけ夫にもらい、それでやりくりしている、ということもあります。
しかし、妻が家計管理をするのであれば、生活費をもらうだけでは不十分です!
必ず、貯蓄分も預かりましょう。
生活費分だけ預かっていると、妻側は「残りはちゃんと貯金してくれているはず」と考えるものですが、実際にはほとんどが夫の小遣いに消えてしまっている、というケースも少なくありません。
もちろん、夫もお金に強く、夫が貯蓄をしてくれるならそれでいいのですが、その際も、貯蓄額がいくらあるのか、ということは夫婦間でオープンにされるべきです。
夫から預かる金額はいくらが妥当?
必要な生活費を算出する
まず、生活費として夫から預かる金額が、いくらが妥当なのかを計算します。
・水道光熱費(変動費なので、平均額を計算して毎月一定額をもらう方が手間がなくおすすめ)
・通信費
・(子供がいれば)学校関係の引落
・(子供がいれば)習い事等の金額
・(子供がいれば)その他、衣服代など(定額で、月々2,000~3,000円程度)
・食費、日用品代
・医療費(毎月5,000円程度もらって余った分は積み立てておく)
・夫婦それぞれの衣服・美容代(月々5,000円ずつ程度積み立てて、不足分は小遣いでまかなう)
・夫婦それぞれの経費(仕事上必要なスーツなどを買うための積立金。金額は職種による)
・冠婚葬祭費(冠婚葬祭の頻度によって、月々5,000円~10,000円程度積み立てておく)
・その他、必要なお金があればそれも算入する
必要な貯蓄額を算出する
貯蓄額は、「収入の1~2割」だとか「月10万円以上」だとか、数字で決めるのではなく、実際に必要なお金から算出します。
たとえば、「1年後に100万円の車を購入したい」という人は月々84,000円ずつの積立が必要です。「5年後に頭金および諸費用等あわせて400万円貯めてマイホームを買いたい」という場合なら、月々67,000円の積立が必要。
今後必要となってくる大きなお金を、期間と金額から考えて月々の積立額を算出していきましょう。
・マイカー資金
・教育資金
・(持ち家の人は)リフォーム資金
・(賃貸の人は)今後の引越し費用
・旅行資金
などなど
それぞれの必要な積立額を算出し、それらを合計します。
※理想の期間で計算すると、積立額が多額になりすぎることがあります。その場合は、何かを妥協することも必要です。ここは、夫婦で話し合うようにしましょう。
夫から預かるのは、「生活費」と、「貯蓄額」の合計になります。なお、共働きの場合はこの合計を二人で負担していくことになります。「折半」の他にも、家事育児の負担や収入の大小に合わせて「6:4」、「7:3」など比率を変えてもいいでしょう。
これら必要なお金を預かったら、残りは夫の小遣いになります。
収入自体はオープンにするのがおすすめ
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上記の方法であれば、夫の給料を知っていなくても、ある程度対応できます。ただし、基本的には、お互いの収入はオープンにしておいた方がいいです。
夫の収入がいくらなのかを知らないまま家計管理をしていると、月々の請求額が多すぎて夫の小遣いがほとんど無い状態になってしまったり、逆に、妻側が節約をがんばって請求額を下げたのに、夫ばかり小遣いが多くて不公平感が出ることもありますよね。
通帳を預かるわけではなくても、月に1回ぐらいは通帳を見せてもらうようにするとか、給与明細は見せてもらうなどして、収入が実際にいくらあるのかは知っておいた方がいいです。
お互いの収入が多く生活に十分なゆとりがあればそこまでしなくてもいいのですが、ゆとりが無い、もっと節約した方がいいと感じているのであれば、夫婦で協力して節約していかなければなりませんので、収入もオープンにしていきましょう。(執筆者:吉見 夏実)