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「休眠預金」という言葉をご存知ですか?
休眠預金とは、入出金をしないまま5~10年が経過した口座のことを指します。
皆さんの中にも、
「銀行から突然手紙が来て、子どもの頃に親が作っていた口座の存在を知った。」
「解約しなきゃと思いつつ、忙しくて放ったらかしにしている口座がある。」
という方もいらっしゃると思います。
事実、日本は口座開設やその口座を保有するのに手数料がかからず口座が持ちやすいということもあり、個人預金は現在7億8610万口座あると言われています。(2013年9月現在)((資料)日本銀行「預金者別預金(金額階層別)一覧」)
日本の人口を1億2000万人とすると、一人当たり6口座も持っている計算になります。
休眠預金を持っている方の中には、「残高は数円~数百円しかないからほったらかしている。」という方もいらっしゃると思いますが、休眠口座の総額は毎年500~600億円も増加しています。(日本経済新聞 2015年4月18日掲載記事より)
定期性預金を保有している場合もあるのでご自分の保有資産をきちんと把握するためにも、万が一の時に口座数が多すぎて家族に手間をかけないためにも、不要になった口座は早めに手続きをすることをおすすめします。
休眠預金であっても、手続きさえすれば銀行は払戻に応じてくれますが、一点注意が必要なのは郵便貯金とりそな銀行の貯金・預金です。
民営化前に預けた定期性の郵便貯金は、満期日から20年2ヵ月経過すると権利消滅になってしまいます。また、りそな銀行では最後の預払から2年以上経過した場合、口座に関するお知らせを送付し、口座維持手数料を残高より引き落とされてしまいます。
目次
「休眠口座」への対処法
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今回は、ふとしたことで休眠預金を見つけた場合・そういえば作ったかもしれない口座について思い出した場合の対応について見てきたいと思います。
まず、確認・準備することは次の3つです。
(※預金通帳、カード等口座情報が無い場合は、どの住所・氏名で作ったか等の情報)
(2) 銀行が統合した場合、引き継いだ支店(統合先支店)はどこになるのか
(3) 各種証明書
(1) 預金通帳、カード、届出印があるか
預金通帳かキャッシュカードがあれば一番スムーズに手続きが終了するので、まずは心当たりの場所を探してみましょう。
通帳かカードはどちらかがあれば口座番号が確認できるため、どちらかでも手元にあれば手続きはスムーズになります。
また、併せて届出印も探してみましょう。
もし通帳・カードどちらとも手元に無い場合は、現在の証明書等だけでなく、どの住所で作った可能性が高いか(過去住んだことのある住所を控えて行くといいでしょう)、現在の苗字若しくは旧姓かなどの情報があると銀行側が調べやすくなることもあるようです。
(2) 銀行が統合した場合、引き継いだ支店(統合先支店)はどこになるのか
バブル崩壊後の景気停滞期に、多くの金融機関が統廃合をして今に至ります。
そのため、統合前の銀行口座を保有していたものの、統合後数年が経つと手続きが面倒だからと休眠口座にしてしまったケースが多々あります。
もし旧銀行の口座を持っているのであれば、まずあなたの口座の支店は統合後どこの支店に引き継がれているか確認し、その支店に手続きについて問い合わせてみましょう。
また転居等でその支店が遠方になった場合は、最寄りの銀行で手続きできるかについて問い合わせてみましょう。
(3) 各種証明書
口座に残っている残高や登録されている住所氏名の状況にもよりますが、多くの場合は手続き時に本人確認書類と届出印が必要になります。
これは銀行の規定により必要になる書類が異なるので、銀行に行く前に電話等で問い合わせをしてからの方が良いでしょう。
届出住所の変更の有無・氏名変更の有無・届出印の有無などにより手続きに必要なものが異なる場合が多いので、電話の前に一度確認するとスムーズに問い合わせができると思います。
きちんと把握することから始めよう
休眠口座や、昔作ったけどどこにいってしまったかわからない口座がある方は、上記を参考の上、銀行や各種金融機関・カード会社等に問い合わせてみて頂けたらと思います。
また、「作ったような気がするけど、現時点で通帳もカードも何もないから確認が取れない」という場合でも、銀行の規定に則り調査請求を出すことも可能なようなので、心当たりのある銀行に出向いてみるのも良いでしょう。その場合は、(1)で書いたように旧住所を分かるようにしていくと良いでしょう。
ご自分の資産をちきんと運用・管理するには、まず現時点でどこにいくらあるのかを把握することから始まります。これを機に、使わない口座を整理してみてはいかがでしょうか。(執筆者:高橋 幸緒里)