前回は、貯金を目的とした一括管理のメリットとデメリットを紹介しました。後編の今回は、3年前から我が家で採用している「別管理」方式のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
目次
別会計になって貯金しにくくなった。でも、夫婦の間に居心地の良い距離感が生まれた
大きな目標に挑戦していた5年間は、夫婦の間に一体感や達成感はあったものの、やはり窮屈に感じてしまうことは多々ありました。そこで、目標金額もクリアできたので思い切って別会計に切り替えたところ、案の定貯金ペースは大幅ダウン。
しかし引き換えに「少しの自由」を手に入れることができました。以下でメリットとデメリットを比較してみましょう。
今回のテーマである「貯金しやすいか」という観点では、我が家のやり方では今までのところデメリット優勢です。ですが、お互いに干渉しない自由気ままな夫婦関係は居心地の良さもあり、ずっと今のままでいれたらいいなぁ…とか思ったりもしています。
そう、冷たいヨメなんですよ! 私。
まぁ冗談はさておき、現在の家計管理方法について説明します。収入の比率によって支払い項目単位での担当を決め、原則相手のお金の使い方に口は出さないようにしています。担当の内訳は、税金関係と月々固定費の支払いを夫が担当。それ以外の日々の生活費一切は妻の私が担当しています。
それぞれの名義で契約している保険やスマホ料金については各自で支払い。家電の買い替えなど数万単位の買い物はどちらが支払うか都度相談して決める。私個人は月々及び年間の貯金の目標金額を一応設定しているものの、クリアできない月でも「ま、いっか?」と気楽に構えています。ざっくりこんな感じで進めています。
こんなに変わった、普段の生活ビフォーアフター
別会計に切り替えてからは世帯としての年間貯金額はたぶん、300万前後です。たぶん、というのは夫がいくら貯金しているか知らないからです。
それでも以前のような、お互いのもやもやがなくなり、程よい距離感を維持できるのはとても居心地がいいです。以前は、夫がよく「アナタはいいよね、通帳見るのが楽しいでしょ。自分なんか通帳見るたびに泣きたくなるよ」とぼやいていたのですが、私は私で自由になるお金が全くないことにもやもやしていたので、夫がぼやくたびにイライラ。
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今は夫のぼやきもなくなりましたし、私もイライラすることがなくなりました。ただやはり、相手のお金の状況に無関心になっているのでこれはよくないと思います。固定費以外の部分で何にいくら使っているのかも把握していませんし、相手の口座残高も把握していない状況です。以前は互いに給料やボーナスの支給日には「お疲れさまでした」と声を掛け合っていたのに、今は給与・賞与明細の確認すらもしなくなりました。
最近ではとうとう「俺の金」、「私のお金」の意識が芽生えてきて、例えば家族でコンビニに入ったようなとき、どちらが支払いをするかでレジ前で牽制し合うようなこともしょっちゅうです。別々に管理しているため、世帯としての収支を正確に把握できていませんし。
私個人としても、以前は夫にダメだしされるのが嫌で「絶対絶対、完璧な節約主婦になってやる」と高いモチベーションを維持できていたのですが、今は自由にお金を使えてしまうので無駄遣いもだんだん増えてきている気がします。
節約できないダメ主婦、貯められないダメダメ共働き世帯の典型パターンですね。
このままがラクでいいけども、これから子供の教育費もどんどんかさんできますので、教育資金の準備のためにそろそろ一括管理に戻そうかと話し合っているところです。
その際は前回の反省を踏まえて、支払い専用口座と貯金専用口座を用意し、それぞれの給与振り込み口座から事前に取り決めた額を移管して管理してみようと思います。もう夫のぼやきを聞いてイライラしたくないので!(笑)
まとめ
特に節約を意識せずに何となく使ってもそれなりに家計がまわってしまう共働き世帯。余裕があるからこそ、意識して貯金にいくら残すのかを夫婦間で常に共有することがとても大切です。一気に貯金額を増やすなら一括管理。絶対に効率的です。
程よく貯金ならば(ある程度お金の管理も信頼できる関係性が前提)、別管理でも充分うまくまわしていけます。ただしお金の使い方の自由度が上がる分何かしらのチェック機能を用意できればベストかと思います。
自分の家庭の状況に合わせて無理なく、無駄なく、計画的な貯金を家計管理をしていきたいですね。(執筆者:山内 理恵)