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現在の相続税調査方法

故人の
預金をすべて把握するのは、相続人でも(亡くなった故人の申告のため)、税務署でも無理です。そのため相続税申告に計上されている預金を基に7年ぐらい前から申告後の調査時点までの資金の動きを調べることとなります。
大金の出金があれば、その行方。毎日CD(ATM)で50万円の引き出しがあれば、それもチェックされると思います。
相続人の通帳に、故人の相続税申告に載っていない金融機関からの入金(相続分としての)がないかチェックです。
それにより
・3年以内の贈与(年間110万円以内なら贈与税は無申告ですが相続税申告には加算の対象になります)のチェック
・配当金の振り込み等で株式の申告漏れ
・貸金庫の有無等
そして
贈与税の無申告も(7年以内)も相続税調査時に発覚します。
マイナンバーが預金と紐づけ(平成30年開始予定)されれば…

相続人も知らない金融機関の取引を把握できるかもしれません。もともと適正な申告をしている納税者にとっては、税務調査を受けにくくなるかもしれません。
税務署にとっては、相続税、贈与税の申告漏れのチェックがしやすくなります。では、マイナンバーを告知しないとどうなるか?
相続税申告でマイナンバーは故人、相続人と記入する必要があります。その番号を知らせなければ、反対に、税務署からの調査対象に選定されるかもしれません。つまりマイナンバーは監視カメラの役割でもあります。
大いに関係する不動産収入とマイナンバー

不動産収入があると、支払先(不動産の利用者)は支払調書を税務署に提出(年間で15万円を超える場合)する必要があります。その際、不動産の利用者は、
不動産賃貸人に対して通知カードと身元確認が行われることとなります。不動産の使用料等の支払調書は28年分からとなっており平成28年1月の支払時に通知カード等を依頼されるかもしれませんね。
これまで駐車場等の収入については、うっかり申告漏れもあったかもしれませんが、今後これらが透明化されることとなります。
ただし、サラリーマン(給与所得者)の場合、給与所得以外の所得(収入ではありません)が20万円以下の場合、所得税の申告は不要です。(執筆者:橋本 玄也)