街を歩いていると、◯◯デイサービスとかいてある車を見ない日は無いくらいデイサービスは身近なものになってきました。
しかし、デイサービスの実際を知らない方はまだまだ多く敷居の高い、またはおじいちゃんおばあちゃんが行くところと思い込まれていて、拒否される方も少なくありません。
今回は、必要なのはわかるけど実際はどんなところなの? という点に迫るために、デイサービスの具体的な活動をみていきたいと思います。
目次
送迎サービス
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元気な方は歩いて来所されてもかまいません。が、一般的には、朝はご自宅まで車で迎えにきてくれます。
足腰が悪くて、歩行に不安がある方も車椅子の方も、ほとんどのデイサービスには、車椅子のまま乗り降りがリフト付きの車が用意されていますので、普段外出がおっくうの方でも、容易に外に出られることを実感できます。
家から出ることに慣れてくると、気分も上がり思い通りに行動していた頃を思い出して、「自分でも何かできそう」と少しずつ生活の視野が広がっていきます。
何より、車でデイサービスまでの移動中は近所の街をドライブするわけですから、街中の活気や四季の変化にも直接触れることができます。
デイサービスに通い始めることは、今まで何気なく生活してきた社会との接点が取り戻せるきっかけになります。
また、雨だからと外出を諦めてしまう高齢者の方も多いのですが、必ず介護スタッフが付く上に、ドアtoドアのデイサービスの送迎サービスは、雨の日のドライブも抵抗なく実行できるというわけです。
施設に着いたら健康チェック
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デイルームに到着して一息ついた後は、血圧、体温、脈拍を測定する健康チェックをしてもらえます。
看護師がいるデイサービスもあります。看護師のいないデイサービスでは介護スタッフが健康チェックを行い記録します。
健康チェックは毎回同じ時間に行い、記録しておくので、病院にかかられた時には、普段の数値として参考にすることができますし、医師にも変動の様子が伝わりやすくなります。
趣味活動、レクリエーションの時間
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健康チェックが終わると、お一人お一人に合わせた趣味の活動や、みんなでリハビリを兼ねたゲームなどのレクリエーションの時間になります。
趣味活動の内容は介護スタッフからの提案もありますが、一般的には介護スタッフと相談しながらご本人の好きな活動ができます。
季節の行事
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ほとんどのデイサービスでは、趣味活動やレクリエーションの時間を使って、季節に合わせてお正月、お花見、運動会、夏祭り、お月見、敬老会、クリスマス会などの行事やイベントを行っています。
ご利用者様が主役の敬老会では、介護スタッフが劇や踊りを披露したり、介護スタッフの手作りの物をお祝いに贈ったりと力を入れているデイサービスも珍しくありません。
昼食
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午前と午後で分かれているデイサービスでは昼食の無いデイサービスもありますが、ほとんどのデイサービスでは、昼食が用意されています。
昼食代は基本利用料とは別で実費扱いになります。デイサービスによって内容も異なりますが、1食350円~650円程度です。
「みんなで食べる」ということが少なくなっている時代で、いつもご自宅では一人で食事されている方も少なくありません。
デイサービスでは大勢で食事を食べることができるので、味の感想を言ったり聞いたりしながら、楽しく食事をする環境がもてます。
静養の時間
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デイサービスは高齢者の施設ですから、活動の場とはいえ体調不良や静養の為にベッドが用意されているデイサービスがほとんどです。
昼食の後は、個々にゆっくりと過ごしてもらう時間があります。いつも自宅で過ごされていて、1日デイサービスで過ごせるのか心配な方も、いつでもすぐに休める環境があることで、気負いせず安心して活動ができます。
午後の活動
食後の静養のあとは、みんなでリハビリ体操をしたり、レクリエーションをして過ごします。時間によっては、趣味活動の続きなどに時間を使うこともできます。
おやつ
帰りの送迎が始まる前に軽いおやつを用意しているデイサービスも多くなりました。毎回手作りおやつであったり、行事の日には行事に合わせたおやつがふるまわれることもあります。
おやつが終わると、帰り支度をして車でご自宅まで送ってもらえます。送迎サービスの時には介護スタッフがかならず同乗しているので、何かあれば送迎の時に介護スタッフに確認することができます。
ご家族とデイサービスの連絡ノート
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デイサービスでは、健康チェックの記録やデイサービスで過ごした様子などを連絡ノートでご家族と情報交換しています。
送迎サービスのときに伝えられないことも、連絡ノートに記入しておけば、介護スタッフの返答がもらえるという仕組みです。
ご本人が元気な方は、ご自分で記入してくださり、連絡ノートを介護スタッフとの交換日記のように利用されている方もいらっしゃいます。
その他のサービス
入浴
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デイサービスでは入浴設備のあるところがあります。午前か午後に希望者は介護スタッフの介助を受けながら入浴することができます。
入浴を利用される場合は、必要があれば着替えなどを持参していきます。また、入浴を希望される場合は予め担当のケアマネージャーの立てるケアプランに組み込む必要があります。
タオル、石けん類、ドライヤーなどはデイサービスで用意されているところがほとんどですが、お好みのシャンプーなどを持ち込んで利用することもできます。
栄養改善
低栄養の恐れがある場合には、管理栄養士から個別に栄養改善のためのサービスがうけられます。
口腔機能向上
歯科衛生士や言語聴覚士などにより、歯磨きの指導や口を動かしたり発声したりする口腔体操を行い、飲み込む機能を改善する訓練を行います。
個別機能訓練
理学療法士や看護師により、お一人お一人に合わせた機能訓練が行われます。
デイサービスでみんなが活気ある毎日を
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デイサービスを具体的に見てきましたが、デイサービスは高齢者の憩いの場だけではなく、ご本人の残存機能を目覚めさせるきっかけがいくつもあることがわかります。
年をとることに嘆いていた毎日が、敬老のお祝いを受けることや、また同年代の方々と会話を持つことで、今も昔と変わらない自分自身であると気づいてもらえたら、活気のある毎日を過ごしてもらえるのではないでしょうか。
またご家族にとっては、ご本人がデイサービスに通われている間は、仕事に時間を使えたり、介護者の休養にも時間を使えるメリットが生まれることもお忘れなく。(執筆者:佐々木 政子)