【A】 確定拠出年金はと老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)は、全く別の年金制度であり、確定拠出年金の老齢給付金を受給しながら、老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)を繰下げすることができます。
なお、支給開始を70歳まで繰下げることにより、支給率が最大142%まで増加します。

目次
「確定拠出年金」について
「確定拠出年金」は、「公的年金(国民年金、厚生年金保険)」と違い、掛金が個人ごとに明確に区分され、掛金とその運用した利益との合計額で年金給付額が決定されます。
しかし、「確定拠出年金」は、「自分で金融商品等を選び運用」することになります。そのため、同じ掛金を掛けていても人によって運用結果が異なり将来給付される金額が異なるのも特徴です。
また、「企業型年金」と「個人型年金」があり、「企業型年金」の加入者が転職し、その会社を退職して国民年金の加入者となった場合には「個人型年金」へ、また、転職先の企業が「企業型年金」をやっていれば「企業型年金」へ資産を移換することができます。
老齢給付金などの給付決定(「裁定」といいます。)するのは「記録関連運営管理機関等(主には金融機関が共同で設立した会社)」が行うのに対して、公的年金である老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)などを給付決定するのは「厚生労働大臣」が行うこととなっています。
このことからも、「確定拠出年金」と「公的年金(国民年金、厚生年金保険)」が別年金制度ということがわかると思います。

公的年金(老齢年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金))の繰下げ
公的年金(老齢基礎年金・老齢厚生年金)の支給開始は、原則65歳からですが、1年以上遅らせて66歳から70歳まで「繰下げ」をすることができます。
細かい「繰下げ」の要件等は以前の記事(※1)にてご確認ください。
※1 「繰下げ」の要件等は、2016年2月10日の記事「年金を増額できる「繰下げ支給」のメリットとデメリット」をご参照ください。
「確定拠出年金」の支給開始を遅らせることができます
「確定拠出年金」の老齢給付金の開始年齢は、原則60才となっています。しかし、最大70歳まで給付を遅らせることもでき、70歳になると給付開始となります。
この遅らせている期間に掛金などの新しい積立はすることができませんが、運用は続いておりますので運用益を見込むことができます。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)