給与額も重要な労働条件ですので大切なことではないでしょうか。また、「自分のやりたいことを追求したい」というような観点で探すこともあるでしょう。
このように、どこに重点を置いて探すかでも仕事探しは変化してきます。
再就職を促進する一環で、以前の記事で「再就職手当(※1)」をピックアップさせていただきました。
今回は、再就職先の会社の給与が離職前の会社の給与より下がった場合に支給される「就業促進定着手当」についてピックアップしたいと思います。
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目次
「就業促進定着手当」について
「就業促進定着手当」とは、「再就職手当(※1)」の支給を受けた方で、再就職先に6か月以上雇用され、再就職先での6か月間の賃金が、離職前の賃金よりも低い場合に、基本手当の支給残日数の40%を上限として、低下した賃金の6か月分を支給されます。
「再就職手当(※1)」では、満額支給されるわけではないので早期に再就職する意欲を阻害している原因になっていると理由から創設されました。
※1「再就職手当」の詳細等は、2016年9月16日の記事「早期に再就職した場合に受給できる「再就職手当」とは」をご参照ください。
「就業促進定着手当」の支給要件
「就業促進定着手当」の支給を受けるためには、以下の要件がすべて必要となります。
(2) 再就職の日から、同じ事業主に6か月分以上、雇用保険の被保険者として雇用されていること
(3) 所定の算出方法による再就職後6か月分の賃金の1日分の額が、離職前の賃金日額を下回ること
また、「自分で事業を開始(起業等)により再就職手当を受給した場合」には、「就業促進定着手当」は支給されませんので注意が必要です。
「就業促進定着手当」の支給金額
「就業促進定着手当」の支給額は、以下のとおりとなります。
※2 受給資格者証の1面14欄の額です。受給資格者証をご確認ください。ただし、賃金日額の上限額を超える場合は上限額、下限額より低い場合は下限額となります。
※3 再就職後の給与体系によって異なります。月給制の場合は暦日数(30日、31日など)、日給月給の場合はその基礎となる日数、日給制・時給制の場合は労働日数となります。
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「就業促進定着手当」の手続き
「再就職手当」を受給された方に対し、「就業促進定着手当」の支給申請書が再就職から約5か月後にハローワークから郵送されてきます。
また、申請期間は、再就職した日から6か月経過した日の翌日から2か月間となります。この期限までに申請手続きを行う必要があります。
「就業促進定着手当」の受給後に再び離職してしまったら
「就業促進定着手当」の支給後に、離職し失業状態になった場合は、「再就職手当(※1)」と「就業促進定着手当」を除く残日数分の「基本手当(※4)」を受給できる場合があります。(この場合、「再就職手当(※1)」と「就業促進定着手当」は返還する必要はありません。)
また、12か月(解雇・倒産などによる退職の場合は6か月)以上働いた後の離職し失業状態になった場合は、新たに雇用保険の受給資格が生じるので、その受給資格で「基本手当(※4)」を受けることができます。
※4 「基本手当」の詳細等は、2016年6月6日の記事「失業保険(基本手当)の手続きのポイントと流れ」をご参照ください。(執筆者:社会保険労務士 高橋 豊)