拝啓
貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。
社長様におかれましては順風満帆な経営環境のもと、この度お給料も上げられる予定との事。常々その経営手腕には驚かされているばかりです。
でも、社長様ちょっと待ってください!
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お給料を上げる前に次の二人の経営者の方の会話を聞いてみて下さい。
お給料を上げたい「目先社長」と「将来社長」の会話
将来社長 「それは結構だね」
目先社長 「仕事をリタイヤした暁には、のんびり船で世界を回る計画をしているからね。早めに資金準備をしていくに越したことはないからね」
将来社長 「じゃ、今の生活が苦しいという訳ではないのだね」
目先社長 「勿論だよ。子供達も学校を終えて既に就職しているし、月に一回は家族で旅行も楽しめる余裕もあるよ」
ポイント1 目先社長は勇退した時の船旅の資金準備の為に給料を上げようとしている。しかし、生活するには今の給料で十分な環境。
目先社長 「えっ、給料をあげるよりもいい方法があるって言うのかい。想像もつかないけど」
将来社長 「じゃ説明しよう。まず給料を100万円貰ったとしても全額が手取りになる訳ではないだろう?」
目先社長 「なんだかんだと引かれているからね~」
将来社長 「だから給料の額と、手取りの額には差がある訳だ」
目先社長 「税金やら社会保険料が引かれるからそこは仕方ないよ」
将来社長 「そうだね。その二つが手取りを少なくしている原因になっているのはご指摘のとおりだよ」
ポイント2 税金と社会保険料が天引きされているから手取りは給料額面より少ない。
目先社長 「そんな事は出来ないだろうね。税金も社会保険料も給料に応じて負担するのが原則だから」
将来社長 「そこだよ。実は今、君が言った言葉の中にこそヒントが隠されているのだよ」
目先社長 「えっ、当たり前の事を言ったつもりだけど、どういうこと?」
将来社長 「本当を言うと、僕も君と同じように前期に給料を上げようとしていたら、顧問の社会保険労務士にアドバイスされたのだよ」
目先社長 「何だ、そういう事だったのか。いいから詳しく教えてくれよ」
将来社長 「勿論だよ。その時、僕は60万円の給料を20万円アップして80万円にしようと思っていたけれど、結局そのままの60万円にした訳を説明しょう」
目先社長 「頼むよ」
将来社長 「まず60万円の給料だと、年間では720万円になるね。そこから所得税と住民税が約74万円引かれて、社会保険料でも105万円が引かれて、手取りは541万円程度になる」
目先社長 「君の家族もお子さんは就職しているし、奥さんも君の会社でそれなりの給料を貰っているから、条件は共働きの僕と同じだね」
将来社長 「そうだね。それで給料を80万円、年間で960万円にした場合を見てみると、所得税・住民税が135万円、社会保険料は123万円になり、手取りは702万円程度になるのだよ」
目先社長 「なるほど、240万円あげても手取りでは161万円しか上がらないのだね」
ポイント3 給料を上げても手取りはそれ程の実感はない。
目先社長 「それで君は給料を上げるよりもいい方法があると言うのだね」
将来社長 「そのとおり」
目先社長 「じゃ、そのいい方法を早く話してくれよ」
将来社長 「簡単な事だよ。20万円アップしようとした費用を保険に回すだけだよ」
目先社長 「保険に?どういう事なの」
将来社長 「つまり、損金計上の出来る積立型の保険に加入して、退職する時に解約をして、積立てた解約返戻金を退職金で貰うのだよ」
目先社長 「なるほど、それならリタイヤした時に貰えるから世界旅行の資金に回せるね」
将来社長 「退職金には退職所得控除があるし、社会保険料の負担もないからね。退職金でまとめて貰えば結局手取りはアップするわけだよ」
目先社長 「社会保険料が会社の分も含めて軽減し、所得税・住民税も軽くなるし、退職金も準備出来るのだね。おまけに保障もつくわけだ。いい事を教えてくれたよ。さっそく僕も手を打つことにするよ」
ポイント4 損金計上可能な積立型保険に加入し、退職時に解約返戻金を退職金として受け取る。
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社長様、いかがでしょうか
特に今の生活に支障がなければ、安易に給料を上げるのではなく退職金で受け取る方法も検討の余地はあるかと思います。
ご参考の一つにして頂ければ幸いです。今後も貴社のますますのご発展を楽しみにしています。
このコラムには続きがあります↓
【第2弾】社長様、それでもご自分の「給料(役員報酬)」上げますか?