目次
ワークショップに参加してきました
町に点在する遊休不動産を活用して始められるビジネスを考案し、オーナーさんに対して提案を行うというもの。
・ 事業の実現可能性
・ 事業計画
・ 収支計画
を3日間という短い時間で作り上げて提案まで持っていく、短期集中型のワークショップです。
そこで、私たちが提案したもの。それが、これからご説明する「まちやど」なるものです。
「まちやど」とは
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まちやどとは、町中にある1つの建物を受付として、その周りに点在する建物を宿泊施設として利用する、いわば町全体を1つのホテルとして捉えたもの。
旅行者が宿泊する建物の多くは、空き家を活用
空き家が問題となるいま、まちやどは、遊休不動産を生かした数少ないビジネスのひとつとして、注目を集めつつある取組みと言えます。
その先駆けとも言えるものが、兵庫県・丹波篠山にあります。
篠山城下町ホテルNIPPONIA(ニッポニア)は、5軒の古民家を再生して作られた宿泊施設です。
受付ができるのは5棟のうち1棟のみ
それぞれが町中に分散して存在するユニークさが話題になりました。
宿泊者はまず、受付となる建物でチェックイン、鍵を受け取ったら宿泊する建物に向かいます。
チェックインする建物と実際に滞在する建物が離れているため、意図せずとも宿泊客は町中を散策することになります。
その結果、町に人の流れが生まれるのです。
町全体がホテルinイタリア
また、イタリアには、町全体がホテルとしての役割を果たす、「アルベルゴ・ディフーゾ」というものがあります。
アルベルゴ・ディフーゾでは、レストランが受付の役割を果たし、受付を中心とした半径200メートル以内にある建物を、宿泊施設として利用することになっています。
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なぜ、まちやど?
まちやどには、基本的にロビーやレストランはありません。
つまり、食事をするためにはどうしても外出しなければならなくなります。そこがポイントなのです。
ワークショップで私たちが提案した事業では、お風呂も簡易的なものを採用することになっています。
その代わりに、宿泊者にはすぐ隣にある銭湯を利用できるチケットを渡して、銭湯の利用を促します。
銭湯のすぐ横には、角打ちを楽しむことができる酒屋さんも。湯上りにチョット1杯といった効果も期待できますね。
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宿泊客を外出させて収益を得る
こうして宿泊客が町に繰り出すようになれば、まちやどの周辺にある他のお店も潤うことに。
遊休不動産の活用だけでなく、町の活気を取り戻すこともできて、まさに一石二鳥です。
とはいえ、これは慈善事業ではありません。ちゃんと収益を生むことができるビジネスかどうか、ちゃんと見極めることも大切です。
私たちの提案が具現化し始めたら、追って報告したいと思います。(執筆者:内田 陽一)