お金に関する雑誌などを読んでいると、「億万長者は○○の習慣がある」や「億万長者は○○を保有している」など、億万長者の特徴について紹介した記事をたまに見かけます。
おそらくその記事の筆者の体験談をもとに書かれているので、間違った情報ではないと思うのです。
しかし筆者の方が実際に会ったり、話を聞いたりしたことのある億万長者の何人かが、たまたまそういう特徴を持っていただけであり、億万長者の普遍的な特徴ではない可能性もあります。
また普遍的な特徴でなければ、それを一生懸命にまねしたとしても、お金持ちにはなれません。
目次
個人型の確定拠出年金に加入すれば、億万長者の思考法を実践できる
億万長者の普遍的な特徴について、もっとも信憑性の高い情報を紹介していると思ったのは、「となりの億万長者」(著:トマス・J・スタンリー&ウィリアム・D・ダンコ、訳:斎藤聖美)という本です。
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その理由として500人以上の資産家に対するインタビューと、1万1,000人以上の資産家や高額所得者に対するアンケート調査を元にして、執筆された本だからです。
初版が発売されたのが1997年のため、情報が古くなっている部分があり、またアメリカの億万長者に対して、インタビューやアンケートを実施しているため、日本では参考にならない部分もあります。
しかしこの本の中に記載されている、億万長者の思考法などについては、時代や国を問わず十分に役立つと思うのです。
またあらためて読み返してみると、個人型の確定拠出年金(以下では愛称に決まった「iDeCo」で記述)に加入すれば、この億万長者の思考法のいくつかを、自然に実践できるのではないかと思いました。
結果としてお金がたまりやすくなりますが、億万長者の思考法とは次のようになっております。
億万長者は収入から貯金する分を取りわけ、残ったお金で生活する
億万長者は
ようです。
しかしその一方で計画を立てずに、支出をコントロールしている方もおり、その方法について「となりの億万長者」には、次のように記載されております。
予算を立てない億万長者の過半数は、まず最初に収入から貯金する分を取りわけてしまい、残った金で生活するのだ。「何はさておき貯金」方式である。この方式をとる人は、収入の最低15%を貯蓄に回している。
iDeCoに加入する際は、口座振替により毎月拠出する掛金の金額と、その掛金で購入する金融商品(定期預金、投資信託、保険など)を決めます。
その後は途中で止めない限り、定期的に掛金が引き落としされ、自分で決めた金融商品が自動的に購入されます。
そうなると残ったお金で生活する必要があるので、仕組みとしては予算を立てない億万長者が実践している、「何はさておき貯金」に近いものになるのです。
ただ拠出できる掛金の金額には上限があるため、収入の15%を拠出するのは難しいかもしれません。
また拠出した掛金とその運用益は、原則として死亡したり、障がい状態になったりしないかぎり、最低でも60歳にならないと、引き出せないルールになっております。
ですからいつでも引き出しのできる普通預金などと合わせて、最低15%は貯蓄するというルールにした方が、急にお金が必要になった時に対応できます。
億万長者は株を保有しているが、株価の上げ下げを毎日追わない
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預貯金だけではお金が増えない時代のため、投資の必要性を感じている方は、以前より増加しているのではないかと思うのです。
実際のところ「となりの億万長者」の中には、次のような文章が記載されており、億万長者は投資に熱心だとわかります。
私たちが調査した億万長者の95%が株を所有しており、大半の人が資産の20%以上を上場株に投資している。
だが、頻繁に株を売ったり買ったりしているわけではない。株式市場の上げ下げを毎日追っているわけではない。
証券会社に毎朝電話して、ロンドン市場の様子を聞く人はほとんどいない。新聞の記事を読んで株を売買することもない。
iDeCoでは個別株は購入できませんが、株が組み入れられた「株式投資信託」は購入できます。
またiDeCoを通じて購入できる株式投資信託は、数本に限定される場合が多いのですが、初心者の方は種類が少ない方が選びやすいと思うのです。
しかも上記のようにiDeCoは、最初に決めた金融商品を、定期的に購入していくため、株価の値動きを数時間、または数日おきにチェックして、購入のタイミングを判断する必要はないのです。
そのため株価の上げ下げを毎日追わない、億万長者のようなじっくりとした投資ができるのです。
億万長者はお金を増やすため、税金を取られないための対策をしている
最近は新聞やテレビなどを見ていると、増税の話題が非常に多く、増税になれば手元に残るお金が少なくなります。
そのためお金を増やすためには、できるだけ税金を取られないようにするのですが、「となりの億万長者」に記載されている次のような文章を読むと、億万長者はこの点に関して、かなりの対策をしているとわかります。
アメリカの一般的な世帯の現金所得は毎年3万5,000から4万ドルの間で、この金額は純資産の90%に相当する。
そして資産の10%以上に相当する金額を所得税として納付している。
一方、私たちが取材した億万長者はというと、所得税として支払うのは資産の2%ほどの金額である。
だからこそ、彼らの資産はいよいよ増えていくのだ。
投資で儲かると所得税が15%、住民税が5%、復興特別所得税が0.315%取られるため、投資によって発生した儲けの2割程度は、手元に残らないのです。
しかしiDeCoを通じて投資をすると、儲けに対して課税されないため、手元に残るお金が多くなります。
またiDeCoは「掛金を拠出する段階」や、「拠出した掛金とその運用益を受け取る段階」でも、税制面で優遇されているのです。
このようにiDeCoに加入すれば、税金の知識があまりなくても、税金を取られないための対策ができるため、その分だけお金が増えていきます。
億万長者の生活スタイルを見習い、まずは倹約から始めてみる
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一般的にお金持ちと言うと、派手な車を何台も保有し、豪華な家に住んでいるイメージがあります。
しかし「となりの億万長者」を読むと、それはマスコミが作り上げた、間違ったイメージだとわかります。
つまり本当のお金持ちはかなりの倹約家で、収入よりはるかに少ない支出で生活しているのです。
iDeCoの掛金を拠出するだけの金銭的な余裕がないという方は、このような億万長者の生活スタイルを見習って、まずは倹約から始めてみてはどうでしょうか?(執筆者:木村 公司)