介護保険のサービスを利用する際に設定されているのが支給限度額です。
通常、介護サービスの利用料は1割または2割の負担になりますが、支給限度額をオーバーすると超えた分だけ10割負担になってしまいます。
それは避けたいですよね。
在宅介護時のお金の負担を減らすアイディアとして、今回はインフォーマルサービスをご紹介します。
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目次
支給限度額とは?
支給限度額とは、介護サービスがひと月にどの程度利用できるのかを定めたものです。
要介護度別に設けられています。
例えば、
要介護3の方なら26万9,310円
要介護5の方なら36万650円
です。
この金額が上限と考えて、この枠内で介護サービスを利用します。
そして、利用した分の1割、または2割を利用者さんが支払います。
この定められた枠を超えて介護サービスを利用した場合、超えた分の負担割合は10割になってしまいますので少し注意が必要です。
支給限度額を超えてしまうことも
ケアマネジャーと相談して希望する介護サービスを全て利用するとなると支給限度額を超えてしまうことがあります。
それは、介護をする側のご家族が、あまり介護に携わることができない場合や、急に介護が必要な場面が増えてしまった場合などです。
ご家族が介護に携わることができない場合といっても、現役バリバリで働いていて、お金に余裕があるのであれば、10割負担分を補えるでしょう。
ただ、ご家族も高齢で体力的に難しい場合や、離れて暮らしていて日常的にサポートすることが難しい場合などもあります。
また、急に介護が必要な場面が増える場合もあります。
これは本人の状態が悪化した時に陥りがちなケースです。
風邪などのちょっとした体力低下をきっかけに、歩行が不安定になって転倒してしまうこともあります。
そのような、急激な体調変化で、介護サービスを増やさなければならなくなる場合があるのです。
介護度の見直しとインフォーマルサービスの活用をお勧めします
支給限度額を超えそうになった時、まずは要介護認定の見直しを行うことを考えてみてください。
現在の状態と認定されている要介護度が合っていない可能性があります。ケアマネジャーに相談するといいでしょう。
介護度には問題ないと結論がでた場合でも心配はありません。
ここで活躍してくれるのがインフォーマルサービスです。
介護保険内のサービス以外のサービスを考える
インフォーマルサービス利用できるものはないか調べてみましょう。
インフォーマルサービスとは、介護保険内のサービス以外のサービスのことで、ボランティアや民生委員さん、シルバー人材センターや社会福祉協議会が行うサービスなどがあります。
配食サービスと呼ばれている高齢者世帯に食事を届けるサービスがあります。
この配食サービスを行っている社会福祉協議会があります。
食事を届けてもらうことができれば、ヘルパーさんにきていただく回数や時間を減らすことができます。
また、シルバー人材センターの方も、介護サービスと同じような内容のことを行っています。
10割負担をするよりは料金的に安くできる場合もあります。
民生委員さんやボランティアさんなどの助けを借りて、徘徊してしまう認知症の方の見守りを行なってくれる地域もあります。
家族が高齢の場合、自分一人では見守りができず介護サービスを利用するしかない場合もありますが、地域の方の協力のもと、自宅で過ごせる日が増やせるといいですね。
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まとめ
介護サービスを受ける場合、支給限度額の範囲内に収めることで金銭的な負担は少なく済みます。
でも、どうしても支給限度額を超えてしまいそうになることもあります。
そんな時は、まず、要介護認定の見直しを行い、地域にあるインフォーマルサービスの中で活用できるものがないかどうか、調べてみてくださいね。
困っていることがあれば、必ず何か手立てがあります。
困ったら早めの相談、早めの行動が介護費用を抑える一番のコツということもぜひ頭の隅に覚えておいてください。(執筆者:佐々木 政子)