介護を始めてしばらくすると介護サービスにかかる費用がわかってくるかと思います。
ある程度の金銭的な今後の見通しがたてられるようになります。
でも、いつまでも同じような出費の仕方で済むわけではありません。
今回は、その先の今後の出費にどのような変化が現れるかについてご説明します。
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目次
要介護度は変化していく
在宅介護を行う際に、介護認定を受けた方であれば、現在の要介護度がいくつなのかはご存じでしょう。
この要介護度は、一定の期間ごとに見直しが行われるものです。
そして、介護度が変わればデイサービスなどの施設の利用料なども増えてしまいます。
訪問介護については、介護度別の料金設定などはありませんが、
ことになります。
したがって、生活援助が主だったサービスが身体援助が主になるなどの変化に伴って、利用料金が上がります。
この要介護度ですが、いつ変化してしまうかわかりません。
中には、ちょっとした風邪をきっかけに、数日ベッドで横になる日を過ごしただけで、できることが少なくなってしまうことがあります。
また、ちょっとつまずいたことをきっかけに転倒してしまい、骨折してしまうこともあります。
そして、転倒をきっかけに車いす生活になるなど、生活全体に及ぶほど状態が悪化してしまうこともあるのです。
状態が悪化すると必要になるのが、要介護度の見直しです。
定められたタイミング以外でも、良くも悪くも状態が変化した場合は、見直ししてもらわなければなりません。
その結果、要介護度が変化すれば、かかる費用も変化することを知っておいてください。
住宅改修費や福祉用具購入費
自宅にて介護を行っている場合、元気なうちは必要がないけれど身体が自由に動かなくなるにつれて必要になる費用の中に、住宅改修費や福祉用具購入費があります。
住宅改修費は、自宅内を移動しやすいように手すりを設置したり、転倒を防止するために自宅内の段差を解消したりするための費用です。
また、なかには便座を和式から洋式に取り替えたり玄関の階段をスロープに変更するなど、大掛かりな改修を行う場合があります。
住宅改修費は条件を満たした上で受けられる助成制度がありますが、全額助成されるわけではありません。
助成の対象となる金額は上限20万円までなどの制限もあります。
福祉用具についても、介護度が上がるに従って、必要になるものがあります。
福祉用具はレンタルすることもできますが、ポータブルトイレや入浴を助けてくれるような、直接肌が触れる用品は購入する必要があります。
福祉用具購入費についても、住宅改修費と同じように、一定の条件を満たしていれば助成が受けられますが、負担しなければならない費用も発生します。
おむつ代など、日常的にかかる費用も
要介護度が低かったうちは必要なかったのに、トイレが間に合わなくなったりトイレに行けなくなったことを理由に、おむつが必要になることがあります。
おむつ代も、自治体などの助成制度がある場合もありますが、それで全てをまかなえるわけではありません。
また、医療費など介護が必要になる前からかかっていた費用も、要介護状態になったかどうかは関係なく、必要です。
まとめ
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介護を行っていると、思いもよらない場面で出費が必要になることがあります。
日頃の介護に疲れている上に、費用の面でも悩みを抱えてしまっては大変です。
急な出費もありえる、費用の増大もありえるのだと、心構えができているだけでも、違ってきます。
ちょっと知識を持つことで、介護生活が少しでも気楽に行えるといいですよね。
要介護度を重くしないコツは、介護を受ける方の気持ちも大切です。
要介護者の方は自分でやるより誰かにやってもらえたら楽ですが、ご自身の身体状況や体力の低下につながりやすくなります。
できることは自分でやると思う気持ちをいつまでも持っていただけるよう、声をかけていきましょう。
声掛けや前向きな気持ちは無料のうえ、一番の特効薬ともいえます。(執筆者:佐々木 政子)