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特別養護老人ホーム
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「特別養護老人ホーム」は低価格で利用できることで知られています。
しかし、入所できるようになるまでには何百人もの入所を待った後になってしまうこともあるほど、入所が困難な地域もあります。
入所できるならどこでもいいとさえ思ってしまうこともありますが、施設によって利用料金が異なり、のちに後悔することもあります。
そこで今回は、特別養護老人ホームの利用料金の違いについてご紹介したいと思います。
特別養護老人ホームとは
介護老人福祉施設である特別養護老人ホームは、社会福祉法人や地方自治体などが運営を行っています。
入居の対象
・ 65歳以上の高齢者で原則、要介護認定が3以上
・ 常に介護が必要な状態で自宅での介護が困難
な方が対象です。
そのため、寝たきりの方や認知症などが比較的重度の方、緊急性の高い方の入居が優先されます。
その利用料金は介護保険の中で決められています。
参考資料:厚生労働省「介護老人福祉施設」(pdf)
特別養護老人ホームの利用料金の施設ごとの違い
特別養護老人ホームの利用料金は、介護保険によって決められており、施設による違いはそれほど大きなものではありません。
ですが、差が出ることも確かです。
居室の形態による差
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【多床室】
多床室は、居住費が最も安く設定されている居室です。
従来からある施設の場合、4人部屋などの相部屋が多く、1人1人のスペースはカーテンで区切るなど、簡単な仕切りであるお部屋があります。
【ユニット型個室】
ユニット型個室が、居住費が最も高く設定されています。
近年、多く作られているのが、ユニットを形成する居住空間が設けられた施設です。
1人1部屋で生活し、なおかつ、1ユニットが10名以下の人数で形成されている状況におかれます。
少人数ごとのユニット内でケアが行われることにより、より細やかな対応ができると考えられています。
「多床室」と「ユニット型個室」の差額は、月額2,000円程度です。
各種加算の状況で月額利用料金が異なる
加算とは、施設が行っているサービスの対価として支払う料金です。
例えば、「看護体制加算(Ⅰ)」という名称の加算があります。
常勤の看護師を配置している施設が算定できるとされている加算です。
1日の負担にすると数十円単位ではあるのですが、このような種類の加算がいくつもあり、月額利用料金に差が生じるのです。
このほか、レクリエーション代などが発生する施設もありますよ。
新しい施設は高いという誤解
特別養護老人ホームを選ぶ際、新しく建った施設の利用料金の方が高いと誤解している方もいます。
おそらく、近年、ユニット型のケアが重視され、ユニット型の居室が多く作られているため、このような誤解が生まれたのではないかと考えます。
しかし、近年作られた施設であっても、
・ 1階は多床室
・ 2階はユニット型個室
などと作り分けられている施設もあります。
一概に、新しい施設は利用料金が高いというわけではないので、内容をよく調べた上で、入所の検討を行ってください。
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終の住処にもなる特別養護老人ホーム
介護保険で定められている基本料金は同じですが、働く介護スタッフ、専門職の人数によって加算が付きます。
また、使用する部屋のタイプによっても利用料金が多少変わります。
入所についての検討は、できることなら慎重に行いたいものです。
スタッフやほかの入所者との相性など、気になる点は多々ありますが、検討する材料の1つに、利用料金のことも加えておくと安心です。
加算について確認することは、人員配置などの内情についても一端を知ることができるメリットがあります。
納得のいく施設選びをする事で、残された人生を心置きなく過ごすことができます。
ご自分にぴったりの特別養護老人ホーム選びができるといいですね。(執筆者:佐々木 政子)