2016年10月から社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象が広がっています。
今後も加入対象は拡大されていく予定です。
でも、パートで働いている人からは、配偶者の扶養の範囲から外れることや、手取り収入が減るというデメリットを気にして「会社で社会保険の対象になりたくない」という声もよく聞きます。
ですが、パートが会社で社会保険の対象になる場合、メリットがたくさんあります。
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目次
メリット1: 保険料の半分は会社が負担してくれる
社会保険料は給与から差し引かれる金額と同じだけ、会社も保険料を負担してくれます。
例えば給与から差し引かれる社会保険料が8,000円だったとすると、会社も同じ金額の8,000円をあなたの保険料として支払っています。
つまり、会社が半分負担してくれているのです。
状況や給料の額によっては、自分で国民年金保険料や国民健康保険料を払うよりも、会社で差し引かれる社会保険料のほうが安くなることもあります。
メリット2: 将来もらえる年金が増える
将来もらえる年金が増えます。
厚生年金の対象になった場合、国民年金の受給に加えて、厚生年金も支給されます。
老後にもらえる厚生年金は、働いた期間と給与によって受給額が決まってきますが、これは終身でもらえます。
会社で社会保険の対象になると、老後の金銭的な備えになることも覚えておきましょう。
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メリット3: ケガや出産で仕事を休む場合も給付がある
健康保険の対象になった場合は、傷病手当金や出産手当金の給付の対象となります。
例えば、ケガで仕事を休まざるを得ない状況になってしまった場合、給料の3分の2程度を傷病手当金として健康保険から受け取ることができます。
会社の健康保険が健康保険組合である場合は、さらに充実した給付やサービスが提供されることもあります。
メリット4: 万一のときにも! 障害厚生年金や遺族厚生年金
厚生年金の加入中に、障害がある状態になってしまい、日常生活や仕事をすることが困難になった場合、「障害厚生年金」が支給されます。
厚生年金加入者は、国民年金加入者よりも障害等級の範囲が広げられていて支給の対象になりやすく、認定されれば少なくない金額が受け取れます。
また、万一自身が亡くなった場合は、遺族に対して「遺族厚生年金」が支給されます。
遺族厚生年金も、国民年金加入者より優遇されていて、受給できる遺族の対象が広くなっています。
厚生年金の対象になれば、このような万一の事態にも手厚い給付が用意されることになります。
メリットも考慮して総合的な判断を!

会社で社会保険料を払うことになると、確かにデメリットもあります。
扶養から外れると配偶者の税金の負担が増えるかもしれませんし、会社から支給される扶養手当が出なくなるかもしれません。
また、社会保険料が控除されるようになるため、自身の手取り収入が減ることもあります。
しかし、ここで考えたようにパートでたくさん働いて社会保険の対象となれば、多くの社会保障を受けられるようにもなります。
目の前のデメリットで判断するのではなく、各種メリットを考慮して総合的に判断しましょう。(執筆者:潮見 孝幸)
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