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相続税は0円。それでも申告しないと、配偶者の軽減も小規模宅地も使えない

税金 相続・贈与
相続税は0円。それでも申告しないと、配偶者の軽減も小規模宅地も使えない
相続税は0円。それでも申告しないと、配偶者の軽減も小規模宅地も使えない

計算したら相続税が0円になったので申告も要らない、と考えるのは早計です。0円になった理由が特例を使ったことにあるなら、申告そのものが特例を使うための条件になっています。出さなければ特例は適用されず、税額が発生することがあります。分かれ目を押さえておきましょう。

0円でも申告が要る場合と、要らない場合がある

同じ0円でも、そこへ至った経路によって扱いが変わります。まず、小規模宅地等の特例などを適用しない場合の課税価格の合計額(正味の遺産額)が基礎控除の範囲内だった場合。基礎控除は3,000万円に600万円へ法定相続人の数を掛けた額を加えて求めます。この線を超えていなければ、そもそも課税されず申告も不要です。

一方、小規模宅地等の特例などを適用しない場合の課税価格の合計額は基礎控除を超えているけれど、特例を使った結果として税額が0円になった場合は事情が違います。

相続税は0円。それでも申告しないと、配偶者の軽減も小規模宅地も使えない

条文が「申告書に記載と添付がある場合に限り適用する」と書いている

配偶者の税額軽減は、配偶者が実際に取得した正味の遺産額が、1億6,000万円と配偶者の法定相続分相当額のいずれか多い金額までなら相続税がかからない制度です。

この軽減について、相続税法19条の2第3項は、相続税の申告書または更正の請求書に、適用を受ける旨と金額の計算に関する明細を記載した書類などの添付がある場合に限り適用する、と定めています。制度が使えるかどうかではなく、申告書を出したかどうかが適用の条件になっているわけです。

小規模宅地等の特例も同じ構造です。租税特別措置法69条の4第7項は、相続税の申告書に適用を受けようとする旨を記載し、計算に関する明細書などの添付がある場合に限り適用すると定めています。

申告期限までに分けられていないと、その財産は対象から外れる

もうひとつ気をつけたいのが、遺産分割が終わっているかどうかです。配偶者の税額軽減は、配偶者が遺産分割などで実際に取得した財産をもとに計算されます。そのため、申告期限までに分割されていない財産は軽減の対象になりません。

ただし救済の道があります。申告書に申告期限後3年以内の分割見込書を添付したうえで、申告期限から3年以内に分割し、分割が行われた日の翌日から4か月以内に更正の請求をしたときは、対象になります。話し合いがまとまらない場合でも、この書類を出しておけば道が残るということです。

申告の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と定められています(相続税法27条1項)。分割の話し合いが長引きそうなときほど、期限までに何を出しておくかが効いてきます。

税額がゼロだと聞いたら、その理由まで確かめておく

税理士や親族から「かからない」と聞いたときは、小規模宅地等の特例などを適用しなくても基礎控除の範囲内だったのか、特例を使った結果なのかまで確かめておきましょう。前者なら手続きは不要ですが、後者で申告を怠れば、使えたはずの特例が適用されず税額が発生します。分割が間に合わないときも、見込書を添えて期限内に申告書を出しておけば、分割後に更正の請求をすることで、あとから軽減を受けられる余地が残ります。

《編集部》
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執筆者: 編集部 編集部

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