
お盆に帰省して親の様子が変わったと感じたら、そこから先は呼び出しが続きます。有給休暇でしのぐしかないと思われがちですが、有給とは別枠の休みが法律で2つ用意されています。短い用事に使うものと、まとめて休むもので役割が違います。どちらが要りそうかを、家族で話し合っておきましょう。
呼び出しが重なり始めた40代会社員の戸惑い
「今日もまた、病院から呼ばれてしまって」。都内の会社に勤める40代の会社員は、離れて暮らす父親の入退院が続いた春から、有給休暇の残日数ばかりを気にするようになりました。半日で終わる付き添いもあれば、施設の見学と契約で丸一日つぶれる日もあります。
上司には切り出しにくく、まとまって休めば席が無くなるのではという不安もありました。ところが人事に相談すると、有給休暇とは別に使える休みが法律にあると教えられます。細切れに使う介護休暇と、腰を据えて休む介護休業です。
介護休暇と介護休業は、休みの単位と長さが違う
介護休暇は、要介護状態にある対象家族の介護や世話にあてる休みです。対象家族が1人なら1年間に5日まで、2人以上なら10日まで取れます。1日単位でも時間単位でも使えるので、通院の付き添いやケアマネジャーとの面談など、数時間で片づく用事に向きます。申し出は書面に限られず、口頭でも構いません。
介護休業は、対象家族1人につき通算93日まで、3回まで分けて取れる長めの休みです。介護の体制を組み立てる時期にあてる制度で、開始予定日の2週間前までに申し出ます。事業主は、要件を満たす申し出を拒めません。

対象になる家族と、申し出られる働き方
対象家族は、配偶者(事実婚を含む)、父母、子、祖父母、兄弟姉妹、孫、配偶者の父母です。同居しているかどうかは問われないため、離れて暮らす親も含まれます。要介護状態とは、負傷、疾病または身体上もしくは精神上の障害により、2週間以上にわたり常時介護を必要とする状態を指します。
働き方の面では、日々雇用される人を除き、パートや契約社員でも対象です。有期雇用で介護休業を取る場合は、開始予定日から93日を経過する日から6か月を経過する日までに契約が満了し、更新されないことが明らかでないことが条件になります。
見落としやすいのが労使協定です。1週間の所定労働日数が2日以下の人は、労使協定があれば両方の制度から外れます。介護休業ではさらに、勤続1年未満の人や、申し出の日から93日以内に雇用関係が終わることが明らかな人も対象外にできます。時間単位での取得が難しい業務も、労使協定で1日単位のみに限れます。ただし介護休暇について勤続6か月未満を外す仕組みは、2025年4月1日に廃止されました。
休む前に、職場の窓口と就業規則を確かめる
親の状態が動き出してからでは、制度を調べる時間そのものが取れません。まず対象家族に当たるかを確かめ、短い用事は介護休暇、体制づくりは介護休業と割り振ってみてください。そのうえで自社の労使協定と就業規則を人事に確認しておけば、呼び出しの電話が鳴った日に迷わず動けます。


