
お盆に実家へ帰り、親の歩き方や物忘れが気になった方もいるのではないでしょうか。介護保険料は40歳から負担していますが、親がサービスを使えるようになるのは原則65歳から、しかも認定という関門があります。誰がいつから使えて、どこへ申請するのか。慌てる前に順路を押さえておきましょう。
帰省先で親の歩き方が変わっていたと気づいた50代の戸惑い
「去年の夏に会ったときとは、歩き方が明らかに違うんです。」お盆の帰省で実家に戻った関東在住の50代の会社員は、80代になる親の様子に言葉を詰まらせました。玄関の段差で立ち止まる時間が長くなっても、本人は「まだ大丈夫」と繰り返します。
介護保険という言葉は知っています。給与明細の介護保険料の欄にも、40歳を過ぎたころに気づきました。ただ、その保険を親のために使うとなると、誰がどこへ何を持っていけばよいのか分かりません。
加入は40歳から、給付は原則65歳からという二段構え
介護保険の被保険者は年齢で2つに分かれます。40歳になると保険料の負担が始まりますが、給付を受けられる立場になるのは原則として65歳からです(介護保険法9条)。
見落としやすいのが、40歳から64歳までの人がまったく使えないわけではない点です。回復の見込みがないと医師が判断したがんや関節リウマチなど、加齢に伴って生じる16種類の特定疾病が原因で要支援・要介護状態になったときは、この年代でもサービスを利用できます(介護保険法施行令2条)。

申請から認定の通知までにたどる道すじ
最初に向かうのは、親が住む市区町村の窓口です。申請書に被保険者証を添えて申請します(介護保険法27条)。窓口へ行けないときは、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者などに手続を代わって行ってもらうこともできます。
続くのが調査です。認定調査員が本人と面接して心身の状況を調べ、あわせて市区町村が主治医に意見を求めます。主治医がいなくても、市区町村が指定する医師の診断で進められます。この結果をもとにコンピュータが一次判定を行い、介護認定審査会が二次判定をしたうえで、市区町村が認定して本人に通知します。
気になるのが待ち時間です。申請に対する処分は、申請のあった日から原則30日以内と定められています。ただし調査に日数がかかるなど特別な理由があるときは、見込みの期間と理由が通知されて延びることもあります。それでも認定の効力は申請した日にさかのぼります。区分は要支援1・2と要介護1から5までで、どこに当てはまるかで使えるサービスの幅が変わります。
帰省のうちに、窓口の場所だけでも確かめておく
親の変化に最初に気づくのは、たいてい離れて暮らす家族です。保険料を40歳から負担していても、申請と認定を経なければサービスは始まりません。この機会に、実家のある市区町村の窓口と地域包括支援センターの場所を家族で確かめておきましょう。


