家族に介護が必要になった時、まずは要介護認定の申請をします。
この要介護認定を受けるために行われるのが「介護認定調査」です。
しかし、この介護認定調査については、よくわからないと不安に思っている人も多いでしょう。
そこで、今回は介護認定調査の概要と実際の調査で気を付けたいポイントを紹介します。
目次
「介護認定調査」は、介護を受ける人の普段の様子を知るための調査です
介護認定調査とは、要介護度を認定するために行われる調査です。
介護認定調査員が対象者の自宅に訪問して、動作の確認や普段の様子を聞き取ります。
入院している場合には、状態が落ち着いていれば病院での調査も可能です。
調査は原則1回の訪問で終わらせることになっているため、調査時の様子で判断されると思われがちです。
しかし実際には、項目によって1週間から1か月の本人の様子を聞き取って審査にかけられます。
ですから、調査を受ける際には、いかに普段の様子を漏れなく伝えることができるかが大切となるのです。
介護認定調査では「動作確認」と「聞き取り調査」が行われる
介護認定調査では、大きく分けて「動作確認」と「聞き取り調査」の2つの調査が行われます。
それぞれについてみていきましょう。
動作確認
実際に対象者本人に体を動かしてもらい、確認する調査です。
動作確認を行うものは次の10種類です。
・関節の動く範囲
・10分程度の座位保持
・10秒程度の両足立位保持
・1秒程度の片足立位保持
・5メートルの歩行
・立ち上がり
・起き上がり
・寝返り
・ベッドから椅子へなどの移乗
実際に行ってもらうことが望ましいとされています。
しかし、5メートル連続して歩ける場所がなかったり、布団で寝起きしていて寝返りなどの確認が難しい場合には、聞き取りで確認することもあります。
日によって体調に波があり、調査時と普段の様子が違う場合には、その旨を調査員にしっかり伝えましょう。
聞き取り調査
聞き取り調査には、対象者の心身の状態や日常生活などについて5分野45項目の質問があります。
具体的には以下のような内容について聞き取りが行われます。
・衣服の着脱や整容の様子
・外出頻度
・視力、聴力
・もの忘れや徘徊などの行動
・介護の手間がかかるような認知症状
・金銭や薬の管理
・14日以内の医療行為
認知症に関わる質問では、本人を目の前にして答えられないこともあるでしょう。
その場合には、別室や玄関先など本人のいない状態で聞き取りもできます。
前もって紙にまとめておき、本人にわからないよう調査員に渡すのも一つの手です。
特に、認知症状で家族が困っている場合には、具体的に普段の様子や家族の介護の手間を伝えるようにしましょう。
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新規申請の時にはできるだけ同席しよう
介護認定調査を初めて受ける場合には、普段の様子を伝えるためにも、主たる介護者が同席するようにしましょう。
もし、仕事などで同席の都合がつかない場合には、電話での聞き取りを頼むのも一つの手です。
同席できないときには、申請の段階で電話での聞き取りをお願いしてください。
普段の様子を漏れなく正確に伝え、納得いく要介護認定を受けましょう。(執筆者:中村 楓)