子供が生まれたら学資保険に入るもの。
一世代、二世代前にはそんなイメージがありました。
しかし現在は教育費をためる手段として注目されるのは、積立NISAをはじめとする投資信託商品。
同じ金額をためるのであれば、より多くのリターンを得られそうです。
学資保険はもう古いのでしょうか?
他の金融商品に押され気味の学資保険ですが、実は普通の積立にはない3つの特徴があります。
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目次
1. 強制的にためられる
なんといっても目的が明確です。
困ったときにちょっと取り崩して…などという気にはなりません。
もとより保険商品の特性として、ためている期間に解約すると、元本割れしてしまいます。
保険料は月払い、ボーナスのタイミングに合わせての半年払い、あるいは年払いで自動的に引き落とされ、満期には約束どおりの金額が保険会社から振り込まれます。
元本割れの心配をする必要もなく世話要らず。
なるべく面倒なことは避けたい、という方には最適でしょう。
2. 保障機能がある
例えば保険料払込期間に契約者(多くの場合は父親)に万が一のことがあると、それ以降は保険料の払込が不要になります。
そして満期のときには当初の契約通りの金額を受け取ることができます。
お父さんが亡くなってしまって、子供の進路が変わってしまうリスクに備えることができる訳です。
これぞ保険商品ならではの特徴ですね。
ただ、別途生命保険に入っている人は注意してください。
保障が過剰になってしまうかもしれません。
万が一に備えることも大切ですが、休日に家族で外食にお出かけすることだって大切です。
この保障機能は取り外すことができます。
そうするとより返戻率(支払総額に対する受取保険総額の割合)が上がります。
3. 貯蓄性の保険の中で、最も利率が良い
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低金利が続いており、保険会社も保険料を上げざるを得ない状況が続いています。
それは返戻率が下がる、元本があまり増えないということです。
その中で、学資保険の返戻率は比較的良くなっています。
なぜなら、学資保険を入り口として、他の保険にも入ってもらいたいからです。
安心してためるのであれば学資保険のポイントは高そうです。
ではデメリットはなんでしょうか?
デメリット:高金利の局面になっても、返戻率は上がらない
契約時の返戻率は固定であるため、金融市場で金利が上がっても満期時に戻ってくる金額は増えません。
高金利に乗り換えるには元本割れ覚悟で一度解約しなればなりません。
それでメリットは出るのでしょうか? 悩ましい問題になりそうです。
そんな場合には、「払い済み」にするという手もあります。
解約ではなく、その後の保険料を払わず、契約は存続させる方法です。
満期時に受け取る金額はもちろん減りますが、元本割れのリスクを避けることができます。
子供の教育費をためるのに、ギャンブルはしたくない、絶対元本割れはいやだ、とお考えであれば、今の時代であっても学資保険は選択肢の一番になりそうです。(執筆者:夏目 翠)