住宅について、どうお考えでしょうか?
戸建? マンション? それとも賃貸でしょうか?
お金の面から住宅を考えてみます。
地域(関東、中京、近畿)によって、物価水準や住宅事情はかなり違いますので、自分の条件にあった住まいを考えることが必要です。
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目次
現状を知る…全国の実態 持家(戸建vs共同住宅)と賃貸
注:共同住宅とマンションとは違いますが 以後 「マンション」と記します。
住宅の現状調査は、総務省、国交省、公益法人生命保険文化センター等が実施していますが、どの様な実態になっているかまとめてみました。
(1) 住宅数
・居住世帯 約5,100万戸(87%)
・空き家 約900万戸(13%)
居住世帯 約5,100万戸
・所有区分…持家 3,200万戸(63%):借家 1,900万戸(37%)
・建て方区分…戸建 2,800万戸(55%):マンション 2,300万戸(45%)
持家 約3,200万戸
・建て方区分…戸建 2,600万戸(81%):マンション 600万戸(19%)
戸建、マンション数はほぼ同数ですが、持家では約8割が戸建です。
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(2) 広さ
・持家 122平米(戸建 130平米/マンション 94平米)
・借家 45平米
大都市圏では
・関東 78平米
・中京 98平米
・近畿 85平米
(3) 価格
各調査機関の調査結果をまとめてみます。
購入価格
新築
・戸建注文 約4,000万円
・戸建分譲 約3,300~3,600万円
・マンション 約3,600~4,200万円
自己資金比率30%~40%程度、2013年位からのマンションは値上り率が大きい傾向。
中古
・戸建 約2,300万円
・マンション 約2,300万円
自己資金比率40~48%
購入時にかかる諸経費
一般的にかかる費用
・仲介手数料(仲介業者がいない場合は不要)……物件価格×3%+6万円
・税金・登記費用(印紙税、登録免許税、登記手数料、不動産取得税、固定資産税)……30~50万円
・ローン・保険代(保証料、火災保険、地震保険等)……60万円
・その他費用(引越し、家具、カーテン等)……50万円
合計……物件価格の4~10%
住居関係で毎月かかる費用
一般的にかかる費用
・固定資産税:固定資産税評価額×1.4%
(地価公示価格×0.7)土地×1/6、建物(当初5年間は×1/2)
・都市計画税:固定資産税評価額×0.3%
(土地は200平米以下で1/3、建物は固定資産税と同じ)
そして、マンションの場合は、毎月以下の費用もかかります。
・管理費……約2万円
・修繕費……約7,000円
・駐車料金……約1万円
合計……約2~4万円/月
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修繕費
戸建は10年~15年毎に200万円程度。
マンションは毎月積み立て。
資産価値の経年変化
戸建とマンションでは、資産価値の経年変化は異なります。
戸建で約30年、マンションは構造で変わりますが、約50年でほぼ価値がなくなると考えられます。
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(4) 賃貸料
全国平均の家賃は、月7万5,000円(1畳あたりの家賃と平均45平米から計算)
1畳あたりの全国平均家賃 3,017円(100)
大都市圏は
・関東4,167円(140)
・中京2,774円(90)
・近畿2,995円(100)
(5) 年齢別持家比率
家計を支える者の年齢階級別持家率のグラフから、35歳の約4割が、50歳の約7割が、60歳の約8割が自宅を所有していることが分かります。
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必要経費の計算
「持家戸建 vs 持家マンション vs 賃貸」で合計必要費用を比較してみました。
シュミレーション条件:35歳からの住居関係にかかる生涯必要経費で比較
※生存は100歳までとする(参考までに90、80、70歳も記載)
・建物:2,500万円
・土地:1,500万円
・自己資金:30%
・ローン返済:35歳は30年 1.5%、50歳は20年 1.5%
賃貸は
・全国平均:45平米
・途中転居
の3水準で比較。
50歳からの持家区分は、「35~50歳の間は94平米の賃貸に住む」と仮定。
持家は経年変化に基づき、売れると仮定。
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必要経費の少ない順にならべてみました
90~100歳まで生存した場合
戸建35歳 <(賃貸45平米)< マンション35歳 < 戸建50歳 < マンション50歳 <賃貸途中転居 < 賃貸94平米
70~80歳まで生存した場合
(賃貸45平米)<戸建35歳 < マンション35歳 < 賃貸途中転居 < 戸建50歳 < マンション50歳 < 賃貸94平米
※賃貸45平米について:家族が増えた場合、より広い場所への転居が必要となり、生涯45平米の賃貸は考えにくいので、比較するなら途中転居が妥当でしょう。
持家の特徴
・好みの設備にできますし、部屋のレイアウトが自由にでき安心感がもてます。
・地域住民とのお付き合いなどの煩わしさや、簡単には転居できないなど、慎重に物件を選ぶ必要があります。
・経年(30~50年)で建物自体の資産価値はほとんどなくなり、売れる見込みがない相続になった場合、空家・空地として子孫に迷惑をかける可能性があります。
購入時に売却の事を考えるのは難しいかもしれませんが、売れる物件を探すのもポイントとなります。
賃貸の特徴
・ライフスタイル、通勤、近隣とのトラブル等状況に合わせて自由に転居できます。
・設備の自由度はあまりなく、持家よりもグレードが劣る場合が多いですが、修理は大家さんがやってくれます。
・老後の賃貸料確保が必要で、高年齢での賃貸契約は制約が出る場合があります。
まとめ
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自宅を所有するなら、出来るだけ若い時に購入するのが有利です。
また同じ年齢で比較すると、戸建の方がマンションより有利と考えられます。
長生きすれば持家が有利ですが、不幸にして80歳以下で死亡した場合は、賃貸の順位が上がってきます。(執筆者:淺井 敏次)