私たち夫婦は一緒に暮らし始めて間もなく、金銭感覚の相違という大きな壁にぶつかりました。
元々は夫婦別財布でしたが、それぞれの管理がすれ違っていたのです。
しかし今は、夫を小遣い制にすることで、ひとつの財布を共有できるようになりました。
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目次
妻が生活費を管理して、夫が財布を握るスタイルでした
結婚当初、私は夫からイオンの家族カードを渡され、その引き落とし先口座を管理するという役目を仰せつかりました。
夫のお給料が振り込まれる口座です。
また、毎月決まった額の現金も渡されました。
これは、カード払いができない町内会費や乳酸飲料の宅配代、毎月お経をあげに来てくれるお坊さんへのお布施に使います。
妻が食費や光熱費などの生活費を管理し、その他はすべて夫が管理するというスタイルですね。
定期預金や定額預金、各種保険の契約にはノータッチでした。
私の収入は月に5万から10万と波があるため、家計費として負担するのは微々たるもの。
子どもと自分のスマホ料金、医療保険とコープの共済、デパート友の会積立に振り分け、残りが自分のお小遣いです。
どんなに生活費を節約しても、残し貯めができない!
さて、家計の管理は主婦の腕の見せどころ。
カード払いした生活費と光熱費を記録して、月の予算内におさめます。
翌月の引き落とし分から余った金額が黒字です。
黒字になった分は残し貯めをして、いつか定期に…。
あれ? なんだかおかしい。
毎月がんばって黒字を出しているのに、通帳の残高がちっとも増えません。
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そうだ! 今夜は家族で焼き肉へ、それとも寿司屋にしようかな。
そして今週末も旅行へ行こう。」
夫が外食やレジャーの支払いに使うのは、イオンの本人カードです。
引き落とし口座は、もちろん家族カードと同じ。
夫が景気よく使えば使うほど、翌月の引き落とし額は当然増えていきます。
私がイオンの家族カードでチマチマ黒字を出しても、夫がイオンの本人カードで一気に打ち消してしまうわけです。
しかし、夫はそれに気が付きません。
なぜなら、その口座の管理は妻に一任しているのですから。
また、夫は家族のプレゼント代も気前よく奮発します。
恋人時代のサプライズは「うれしい!」で済みますが、妻になると単純に喜んでばかりいられません。
来月の固定資産税と支払いが重ならないかしら?」
こうした「気持ちはありがたいけれど複雑な思い」は、家計を管理する主婦ならでは。
金銭感覚の相違には、それぞれの生い立ちも影響します
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毎月自動で貯蓄しているのだから、残りは使ってかまわないじゃないかという夫。
毎月の貯蓄額を増やしたい妻。
まさに、金銭感覚の相違です。
金銭感覚の違いには、生い立ちも影響します。
夫は、職人の父親がおこした会社の2代目なので、感覚的には経営者というより親方です。
基本的に宵越し(よいごし)の金は持ちませんし、収入のない月とあり余る月が交互に訪れても動じません。
一方、典型的なサラリーマン家庭で育った私は、お給料は必ず決まった日にもらえるものだと思っています。
今月のお給料は出ないけれど、来月は3か月もらえるからいいや、なんて感覚はどこにもありません。
妻が財布を握り、夫はお小遣い制というスタイルにしました
現在、家計の管理は妻である私が担当しています。
通帳とクレジットカードを整理して、保険を見直し、毎月の貯蓄額を増やしました。
保険は大部分を掛け捨てにしたので、月4万5,000円から3万円になり、浮いた分の1万5,000×12か月=年18万を貯蓄に回しました。
小規模企業共済(経営者なので退職金の代わり)の積立を、月3万円から4万円に増額したので、1万円×12か月=年12万円貯蓄が増えました。
両方合わせると、
ことになります。
妻が家計を管理するなら、夫はお小遣い制にしなければなりません。
純粋な意味での夫小遣いはいくら必要なのか?
正確に把握したかったので、あえて明細を確認できるクレジットカードにしました。
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カードはセブンカードで、家族の買い物には一切使わないのがルールです。
金額の上限がないにもかかわらず、毎月5万円前後の支払いに落ち着きます。
ここから、夫のお小遣いは5万円が適正額だとわかります。
お小遣いの使いみちはざっくり把握しておこう
使いみちは、タバコ代、お弁当を持って行かない日の昼食代、ペットボトルの飲み物、雑誌、部下におごる飲食代です。
ちなみに、昼食代と部下におごる分は、本来なら家計から出すべき食費と交際費としてカウントします。
ざっくりとでも、使いみちを把握することは大切です。
使う金額が増えるのは、昇進や職場環境の変化がからんでいるかもしれませんし、本来は家計から出すべき費用が紛れ込んでいるとも考えられます。
驚いたのは、セブンイレブンに行くとnanacoボーナスポイント対象の商品を選ぶなど、夫なりに節約するようになっていたことです。
くりかえしますが、金額の上限がないにもかかわらずです!
財布の中身は共有!話し合って使おう
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外食費やレジャー費は、今まで通りイオンの本人カードです。
ただ、以前と違い私が予算を立てているため、「外食しすぎだから、ホットプレートで焼き肉にしない?」と提案することも。
誕生日や記念日に使うお金は、あらかじめ2人で予算を立て、プレゼントもリクエストし合って決めています。
恋人時代のサプライズ感はありませんが、これはこれで楽しいひと時です。
資産運用と家計管理を面倒がらない夫なら、別財布だろうがひとつの財布だろうが、夫婦の資産は増えていくでしょう。
むしろ別財布の方が効率的なのかもしれません。
しかし我が家のように、一見古いスタイルだとしても、ひとつの財布とお小遣い制こそがベスト!という家庭も存在します。(執筆者:白戸 春)