「老後が不安で施設に入って安心したい…」
など様々な理由で、在宅生活ではなく施設入所を選ばれる方は多いです。

その際
と言われることが多いのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
介護保険施設を利用した際に効く減免についてご説明いたします。
目次
負担限度額の軽減制度がある施設

対象となるサービスは、
・介護老人保健施設
・上記2施設のショートステイ
・介護療養型医療施設
があります。
特別養護老人ホームは、地域密着型施設の場合も軽減制度は適用されます。
減免が効くのは、
・食費
ですので、基本的な介護報酬に関しては全員同じ負担額になります。
また、施設によっては「日常生活費」などと称して、テレビ代や洗濯代等の負担をしなくてはいけないところが多いのですが、こちらの金額は各施設によって違いがあり、減免は効きません。
生活保護受給者の場合は、介護保険分の負担はないのですが、居住費、食費、日常生活費は支払わなくてはいけません。
負担限度額認定証の申請方法
上記の減免制度が使えるかどうかは、
を調べる必要があります。

H27年の8月より、判定要件が変更され、預貯金の資産、自分だけではなく、配偶者の所得も報告しなくてはならなくなりました。
配偶者に関しては、事実婚の場合も世帯分離をしている場合も報告しなくてはいけません。
課税世帯であったり、預貯金の資産が単身で1,000万円、夫婦で2,000万円を超えていたりすると減免対象になりませんので、以前よりもハードルが上がっています。
負担限度額証の申請は、
・預貯金の資産がわかる書類(通帳のコピー等)
を役所に提出します。
負担限度額の段階の基準
負担限度額は4段階に分かれているのですが、第4段階に関しては減免が効きません。

第1段階…非課税で老齢福祉年金受給者、生活保護受給者
これに当てはまる方はほとんどが生活保護の方です。
数字が小さいほど減免は大きいですので、一番負担の少ない段階になります。
第2段階…非課税かつ所得合計が年額80万円以下の方
専業主婦や国民年金等だった方で、年金額の少ない人が多いです。
第3段階…本人及び世帯全員が非課税で、第2段階以外の方
この段階の方が多いです。
特に、パート等で働いて厚生年金を払っていた女性も割とこの段階に当てはまるようです。
第4段階…課税世帯
減免の効かない世帯です。
まとまった額の年金をもらっていると、この段階になることが多いです。
第4段階の場合には、こちらに挙げた以外の入所施設をご利用されても支払い額はあまり変わらないことがほとんどです。
ですので、無理に特別養護老人ホーム等にこだわらず、選択肢を広げることをお勧めします。
どれくらいの減免が効くのか
上記の第1~第3段階に当てはまるようであれば、多少待期期間が発生しても、減免の効く介護保険施設に入られた方がいいでしょう。
それくらい減免額は大きいです。
例えば、1日の食費の場合、国が定めた標準基準額は1,380円なのですが(施設ごとに違いはあります)、
・第2段階で390円
・第3段階で650円
です。この額で食事ができる民間施設はまずありません。
部屋代も、現在主流であるユニット型個室ですと、標準基準額が1,970円ですが、
・第3段階で1,640円
です。
これだけ違いがありますので、月額にするとかなり差が出ます。

まとめ
入所施設の負担限度額についてご説明させていただきました。
減免額の差を見ていくと、確かに何らかの減免の効く段階の方でしたら、待機人数が多くても、民間施設ではなく介護保険施設に入った方が断然支払いは安くなります。
特別養護老人ホームの空き待ちをしている間、どうしても在宅生活が難しいようでしたら、ロングショートステイを利用しながら空きを待つという方法もあります。
要介護度に応じて日数に制限はありますが、ショートステイでも負担限度額認定証は使えますので、焦って民間施設に入るよりも負担は軽いでしょう。
入所をご検討の際には、ぜひ参考にしてみてくださいね。(執筆者:佐々木 政子)