最近はネット銀行の台頭で、メガバンクなどの給与振り込み口座とネット銀行の返済口座が違う事例が増加しています。
この場合、住宅ローン利用者は毎月銀行間で資金移動させる必要があるのですが、2018年10月から銀行間の資金移動システムが刷新されています。
今回は、自動入金サービスと合わせ、便利に資金移動させる方法を解説します。
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目次
便利なのは「自動入金サービス」だが…
自動入金サービスとは、上記のように給振口座と返済口座が違う不便を解消するために、返済口座側の銀行が行う資金移動サービスです。
基本的に、手数料は無料としていますが、その分資金移動に時間がかかるのが難点となっています。
【住信SBIネット銀行】 毎月5日か27日に指定金額を引き落とし → 引落日の4営業日後に入金
【イオン銀行】 毎月5日か27日に指定金額を引き落とし → 引落日の4営業日後に入金
【イオン銀行】 毎月6日か23日に指定金額を引き落とし → 引落日の5営業日後に入金
【じぶん銀行】 毎月6日か26日に指定金額を引き落とし → 引落日の4営業日後に入金
※全て「手数料 無料 1万円から可能」
上記はネット銀行で住宅ローンを提供している銀行の、自動入金サービスの事例です。
他行から引落後、自行に入金されるまで4~5営業日かかるため、引落日には注意する必要があります。
また、指定金額の残高が無かった場合、自動的にキャンセルになりますので、引落日の残高確認も要注意です。
新しく稼働した資金移動システムの特徴
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このように、上記の事例では返済口座が残高不足になるリスクにさらされます。
そして、残高不足がわかり、あわてて入金しても、例えば返済日が月曜日だった場合、実質的に日曜日の深夜に引き落とされるため、金曜日の夕方入金では間に合わず、金曜日の昼間までに入金する必要がありました。
しかし、2018年10月9日から稼働した「モアタイムシステム」により、これまで平日日中時間帯に限られていた即時入金が、平日夜間・土日祝日にも行われるようになったのです。
現在の所、みずほ銀行が自行のシステムメンテナンスのため参加していませんが、ほとんどの銀行はモアタイムシステムに参加しています。
注意しなければならないのは、片方の銀行だけがモアタイムシステムに参加していた場合は従来通りの取り扱いとなり、あくまで両方の銀行がモアタイムシステムに参加している必要があることです。
これにより、月曜日が返済日でも、日曜日に振込や入金を行えば、日曜日に口座へ反映されるため、上記の事例での使い勝手が格段に良くなりました。
「モアタイムシステム」の活用例
ここまで、住宅ローンの返済について解説してきましたが、モアタイムシステムはカードローンや自動車ローンの返済でも便利になります。
残高不足に直前に気づくことは誰にでもあり得ることですが、ここできちんと返済できるか延滞するかで、今後のローン返済の方向性が定まることもあります。
今後はモアタイムシステムを積極活用して頂けたらと思います。(執筆者:1級FP技能士、宅地建物取引士 沼田 順)