またもや夫が斬新なことを口にしました。
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きっと歳の近い同僚がそんな話をしていたのでしょうね。
とはいえ健康は大切。
健康維持のためには定期検査とメンテナンスが不可欠ですので、同意しました。
となると夫もいよいよ本気にしたようで、
なるほど。
病気が見つかる可能性を考えて、直前にそれに備えようって魂胆ですね。気の小さい夫らしい考えです。
目次
考え方自体は間違っていない
いやでも考え方自体は悪くないと思いますよ。
だって医療保険の告知事項は以下のようなものですから。
・ 過去5年以内に、病気やケガで継続して7日以上の入院をしていない。
・ 過去5年以内に、病気やケガで手術を受けていない。
・ 過去5年以内に、別表(※1)の病気で一度も医師の診察・検査・治療・投薬をうけていない。
・ 過去5年以内に、別表(※1)以外の病気やケガで、通算7日以上医師の診察・検査・治療・投薬のいずれもうけていない。
・ 過去2年以内に、健康診断や人間ドックで以下の臓器(※2)または検査で異常を指摘されていない。
・ 以下(※3)のいずれも身体の障害がない。
(※1は成人病を含むさまざまな病気、※2は心臓腎臓などのさまざまな臓器、※3は聴力視力機能障害や指の欠損などを指します)
今回はオリックス生命の医療保険「新キュア」を例に出しましたが、生命保険各社の医療保険のなかでもこの保険は保険料が安い分告知内容が厳しいです。
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しかしこの告知内容を見ても、「健康診断や人間ドックを控えていない」、「最近〇年以内に人間ドックをうけている」というものはありません。
だから、初めての人間ドックの前に医療保険に加入しておくという考え方は、アリです。
保険加入時に自覚症状がなかったのであれば、加入後の健康診断や人間ドックで見つかった異常について給付金を受け取るのは倫理的にも問題ないでしょう。
人間ドックの結果で異常がないのを確認してからその保険を解約する、というのも同様です。
そういえば夫が定期保険(死亡保障)に加入するときには保険料が割安な「非喫煙優良体」で契約したのですが、その「非喫煙」の部分の検査をした保険営業員さんが、直後に「ハイ。これで今から喫煙しても保険契約には問題ありません。」とおっしゃっていました。
そんなもんなんでしょう。保険って。
保険開始のタイミングは3つの条件がそろってから
しかし注意したいのは、保険契約が効力を持つタイミングです。
もちろん、健康診断や人間ドックで異常が見つかってからそれを隠して保険に申し込むのはいけません。
告知義務違反となり保険金が受け取れなくなります。
保険契約が効力を持つためには、3つの条件がそろっていないといけません。
・ 告知(必要に応じて医師の診査)
・ 第1回の保険料支払い
ただし契約の方法が保険営業員さんとの面談の場合でしかも医師の診査が不要であれば、上の3つはほぼ同時になされることが多いです。
気を付けなければならないのは対人契約ではないために申し込みと第1回保険料支払いがズレる場合でしょうか。
ウェブ上で完結するクレジット即時決済なら心配ありませんが。
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がん保険には3か月前に!
ただし、がんについてだけは特に注意が必要なのです。
というのは、がん保険には一般的には90日の免責期間というものが存在するからです。
ようするに、がん保険は先ほどの3つの条件がそろってから91日めに効力を持ち始めるということですね。
がん保険やがん特約、「診断されれば100万円」なんて言われますが、そのためには診断されるより3か月前に契約を済まさなければならないということになります。
「ならばがん保険には人間ドックに行く予定の3か月前に契約すれば良いじゃないか!」という考え方は、やはりそんなに間違っていません。
ただしその3か月の間に激痛に襲われるなどしてがんが発覚したなら、もちろん保険金は支払われません。
がんは闘病で就業不能が何年も続くというのがよくある話。
ほんとうに心配なら、早い目に加入しておいたほうが良いのかもしれませんね。(執筆者:徳田 仁美)