「金融庁のお墨付き」とも言われる「つみたてNISA」の対象ファンドなら、安心して購入できそうだし、購入手数料もゼロだし、これらを購入したいと検討する投資家もいるでしょう。
でも、購入時手数料(買付手数料)が確実にゼロなのは「つみたてNISA」を開設して積立購入の場合に限られます。
「つみたてNISA」以外の方法で購入した場合、購入時手数料が発生するファンドが少なくありません。
中には3.24%(消費税込み)というような高い購入時手数料がかかるファンドもあるので注意が必要です。
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目次
厳選された「つみたてNISA」の対象ファンド
つみたてNISAの対象ファンドには、購入時手数料がゼロ(ノーロード)、信託報酬が一定水準以下などの厳しい条件をクリアした、長期の積立・分散投資に適したファンドのみが選ばれています。
日本には数千のファンドが存在しますが、つみたてNISAで投資可能なファンドは、162本まで絞られています。(2018年10月、金融庁資料による)
確かに、「つみたてNISA」の対象ファンドは、高い条件をクリアしているだけあって、購入時手数料がかからない魅力的なファンドが厳選されているイメージがあります。
購入時手数料がかかるケースも
このように厳選されたファンドの一部を試しにちょっと購入してみたいと思うかもしれません。
もちろん、これらのファンドは、「つみたてNISA」の口座開設をして、積立投資で購入すれば必ず購入時手数料はゼロとなります。
しかし、それ以外の方法で購入する場合は、つみたてNISAの対象ファンドでも購入時手数料がゼロではないケースもありえます。
交付目論見書には購入時手数料の上限が記載さている
例えば、ある「つみたてNISA」の対象ファンドの交付目論見書には、購入時手数料について次のように記載されています。
購入時手数料は上限の範囲内で販売会社(銀行や証券会社)が決められます。
このケースでは、販売会社によっては最大3.24%の購入時手数料がかかる可能性があることを意味しています。
試しに10万円購入してみた場合、最大3240円の購入時手数料が発生するかもしれません。
金融庁のお墨付きでも慎重に
つみたてNISAの対象ファンドであれば、言わば「金融庁のお墨付き」を得ていて、信託報酬が低く、購入時手数料もゼロである印象を持っている投資家は少なくないでしょう。
ただし、つみたてNISAの対象ファンドを購入する際に必ず手数料ゼロとなるのは、「つみたてNISA」の制度内で購入した場合に限ります。
つみたてNISAの対象ファンドであっても、購入方法によっては、予想外に高い購入時手数料がかかる可能性もあるので注意しましょう。(執筆者:潮見 孝幸)