友人や恋人、親戚等から「お金を貸してほしい」と頼まれた経験のある方も多いのではないかと思います。
もちろん貸したお金を返してもらえれば問題ありません。
しかし、貸したお金を返してもらえずストレスで精神的に不安定になったり、生活に困窮したり、友人や恋人、親戚とはこれまでの人間関係まで壊れてしまったという話もよくあります。
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今回は友人や恋人、親戚等から借金の依頼をされた場合にどのように対処していけばいいのかを考えていきたいと思います。
目次
具体的な事例
B. 友人と食事に行って「今日は財布にお金を入れ忘れたので、一緒に払っておいて、後で返すから」ということで友人の分1,000円を支払ったが、返してくれない。
C. 恋人の家族が入院し、手術の費用も必要という事になり、恋人も予想外の出費に「必ず返すから、医療費を貸してほしい」ということで10万円を貸したが、退院後も返してくれない。
D. 親戚の子どもが予想外に遠方の大学に入学することになったため、「引っ越し費用や入学金等の支払いのためお金を貸してほしい」ということで100万円を貸したが、その後返してくれない。
以上4つの事例を紹介しましたが、
AやBなどはほとんどの方が経験ある事かと思いますが、借りた人は金額も少なく悪気はなく、借りた事自体も忘れてしまっているのかもしれませんが、貸した方は良く覚えているものです。
CやDなどは借りたご本人にとっては遊興費でもなく、やむを得ない事情によるものです。
しかし貸す方にとっては金額も多額になってきますので、できれば断りたいところですが、これまでの人間関係を考えると断りづらいものですね。
借金の依頼をされたら
借金の依頼をされた場合にどう対処していけば良いか迷うところです。
個人によって金銭感覚の違いもあると思いますが、金額が多い少ないにかかわらず、はっきりと断るのが一番です。
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しかしそんなことが事ができれば悩むことはありませんが、人間関係などを考慮してどうしても断り切れない場合はどう対処すればいいでしょうか。
もし事例のAやBなどは金額も少額ですので、貸したお金は返ってこない前提で貸してあげる。
しかし何度も同じような事が繰り返され精神的にストレスになるようであれば、以後ははっきり断るべきです。
事例のCのような場合ですが、金額も多額になってきますので、もし貸したお金が返ってこない場合でも、あなた自身の生活に大きな支障が出ない範囲で貸してあげる。
その場合でも口約束だけでなく、私的な「借用書」を書いてもらいましょう。
後日トラブルになったとしても証拠になります。
しかし、私的な「借用書」は専門家でもないため不備などの危険性もあり法的な拘束力も弱いです。お勧めは後で説明する「公正証書」です。
親しい間柄で「借用書」は言いづらいと思いますが、本来は借りる側が「借用書」の作成を申し出るのが常識だと思いますので、借主から「借用書」作成の話が出ない場合は遠慮することはありません。
もし「借用書」の作成を拒否された場合ははっきり断るべきです。
私的な「借用書」の記載事例(少なくとも以下の項目は記載してください)
● 貸し付けた日付
● 貸した金額(改ざん防止のため、アラビア数字ではなく、「金壱拾萬円也」などの漢数字で間隔を空けずに記載する)
● 借主がお金を借りたという記載
● 借主と貸主の住所・氏名・押印(実印がお勧め)
● 返済期日や利息(無利息でも可)
● 返済方法(現金手渡しよりも、証拠が残るように貸す時も返してもらう時も銀行振込みなどのほうがよい)
● 期日までに返済がない場合の遅延損害金
● 期限の利益喪失条項
● 収入印紙を貼って消印(貼っていない場合も借用書は有効ですが、印紙税法により過怠税等の罰則があります)
作成はパソコンなどではなく、自筆で消えないボールペンなどを使用してください。
事例Dのような場合ですが、金額も多く、もし貸したお金が返ってこない場合はあなた自身の生活にも支障が出ることになるでしょう。
このような依頼をされる場合は相当親しい間柄でなければ考えられません。
「公正証書」という手段も
しかし、今後の人間関係を考えた場合、もし断り切れない場合は必ず私的な「借用書」ではなく、数万円程度の費用(借りる方が負担するのが一般的)や手間が必要ですが、強い法的拘束力のある「公正証書」を作成するようにしてください。
もちろん「公正証書」の作成を拒否される場合ははっきり断りましょう。
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「公正証書」とは全国各地の公証人役場で元裁判官や元検察官など法務大臣が任命した公務員である公証人が作成する「公文書」です。
「公正証書」は専門家が作成しますので書類の不備などがなく、強い法的拘束力があるため借主からの返済が滞った場合は裁判なしで銀行預金や不動産の差し押さえなどの強制執行ができます。(執筆者:後藤 誠道)