
介護保険サービスを利用するような状況になると、どれぐらいお金がかかるのか? 不安ですよね。
利用したい介護保険サービスはいろいろとありますが、みんなで支える保険だからといってもお安く利用することも難しくなってきているのが実際のところです。
介護保険の介護サービス利用料が人によって違う理由は、所得によって負担金額(1割~3割)が決められているためです。
ほとんどの方は1割負担の枠にいらっしゃいますが、中には2割、3割と負担さえれるかたも見られます。
それぞれに該当する人はどんな人なのかをしっかり知っておくと安心です。
目次
介護保険サービの自己負担額が2割負担になる方

まずは、2割負担の方から見ていきます。
2015年に定められた2割負担に当たる人は第1号被保険者のうち所得上位20%に相当する層について適用されています。
合計所得金額が160万円以上であり、
・2人以上世帯なら、年金収入+その他合計所得金額=346万円以上の人
と決められています。
年間の収入としては、決して多い金額ではなく、なかなか生活するには厳しい金額ではあります。
2015年当時、2割負担になり、生活が苦しくなりサービス利用を減らした人や、施設入所から自宅へ帰った人も多くみられました。
今まで利用していたサービスも支払いを考えると、諦めなければならない事態にもなりかねません。
支払金額と相談し、何をどうすべきかは、家族やケアマネージャーと相談する必要がありますよね。
実際、リハビリをしながら歩行状態を保っていた人も、負担が増えることでリハビリをやめ、歩行状態が悪化してしまったというようなケースも多々あるようです。
サービス利用をやめるという選択になった場合でも、何かしら代替えで利用できるようなインフォーマルなサービスへの変更や、それに代わるような運動量の確保ができるようなことを探す必要もあります。
介護保険の利用から離れたとしても決して悪化するような状況に陥らないように、いろいろと検討し準備を整えてから切り替えていくことが大切です。必ず他に代用できるサービスが見つかります。
介護保険サービの自己負担額が3割負担になる方

介護保険利用料3割負担となるのは「現役世代並みの所得者」と定義されています
。
2018年8月より開始された、3割負担の対象になるのは、第一号被保険者で年収が1人暮らしで340万円以上、夫婦で463万円以上ある人たちです。
3割負担になる方は約12万人で、上位3%にあたります。
3割負担の人は、それなりの所得があり、それぐらいの支払いなんでもない。という考えの人もいます。ただ、やはり今までと比べると大きな金額の違いとなります。
介護保険が始まり、20年近くたちますが、もはや負担割合を高くしなければやっていけない制度となってきてしまっています。今後もまだ右肩上がりは止まらない予想です。
しかし、介護保険サービスを必要としている人も大勢います。使う必要がある人が利用できるように、介護保険の財源が少しでも抑えられたらいいですよね。
そのために、国も考えています。そもそも介護の必要ない老後を過ごすために受け身の介護ではなく目的、目標のある介護にシフトチェンジする風向きになっています。
介護事業所の役割も身体能力の維持、向上ということで少しずつ取り組みが変わってきています。
1割負担
1割負担の利用者の範囲は、2割負担3割負担に該当しない方々ということになります。介護保険の利用者の多くの人たちが1割負担です。
ただし、40~64歳の第2号被保険者は、所得にかかわらず1割負担となります。
負担割合を確かめる方法
個々の利用者の負担割合を確かめる方法についてですが、厚生労働省の担当者は「市区町村から届く負担割合証」を見るようにと呼びかけています。

毎年8月~次の年の7月までが負担割合証の適応期間となっております。前年度の所得に応じて毎年見直されます。
例えば、前年度に土地を売る、家を売る、賃貸マンションの収入が多くあるなど、たくさんの収入を得ると次の年の負担割合が1割だった人でも2割、3割と増えてしまう場合があります。
3割負担は負担が大きく毎月支払うのが苦しいために必要なサービスを使えず、身体状態を悪化させてしまっている人も少なくありません。
介護保険以外でも地域には小さな介護サービスがたくさんあります。
困っている方は身近な地域の取り組みに目を向けてみましょう。必要な介護サービスが安価で利用できることもあります。
必要な介護サービスは継続して利用できるように、ケアマネージャーと相談し無理のない介護を続けていきたいものです。(執筆者:佐々木 政子)