介護を担う家族にとっては、先が見えない介護負担は計り知れません。
介護が必要になったらまずは「介護保険」、これは間違いではありません。
介護保険の認定を受けたら必要な介護をプランニングしていきますが、家族の身体的負担や精神的負担があるからといって、使い放題に介護保険サービスを利用するわけにもいきません。
介護費用を抑えたい場合には、介護保険の介護サービスと同時に介護保険以外の介護サービスも検討していくことを忘れずにお願いしたいと思います。
今回は、まず知っておくと役に立つ介護保険以外の介護サービスをいくつかご紹介します。
目次
1. 市町村特別給付(オムツの補助)

市町村によって違いはありますが、おむつ代もかなりの金額がかかるため、負担金額も相当なものです。
要介護4以上の要介護度を認定されている方と定めているところなどもありますが、おむつ代として助成金を交付している市区町村もありますので、金額がかさむ場合は、市区町村に相談してみることをお勧めします。
また、ひと月6,000円までというように制限を決めているところもあります。
おむつなどは必ず必要な費用になりますので、少しでも家計の足しになれば助かります。
2. 介護タクシー

家族が車を持っていても、車に乗せる時にかかる身体的負担というのは、ご本人が自身で動けない場合は特に介護者に大きな負担がかかります。
介護タクシーであれば、介護の資格を持った人が対応してくれるため、ご家族にかかる身体負担の軽減できます。
しかし、少し普通のタクシーと比べると料金が高めの傾向がありますので、確認してから利用することをお勧めします。
介護タクシーの料金は、タクシーの事業所によって違いがあります。
市区町村によっては、福祉有償運送(ボランティアによる送迎)なども利用できることがあります。
こちらも事前に確認しておくと安心です。
通院や移動にかかるタクシー代にかなり料金がかさむとの声もたくさんあります。
市区町村によって、異なるサービスがたくさんあります。
知らないと損することもあるかもしれません。
市町村の窓口に行くと様々なチラシや情報のポスター、口コミなど情報がたくさん入ります。
今は必要ないことでも知っておくと後々、役に立つことが多くあります。
サービスを知ったことであきらめていたことも実行できたり、介護に追われる日々の中にも新しい風を吹かせてくれます。
こんなことまでやってくれてるんだとうれしくなることもあるでしょう。
いろいろな情報を持っている市区町村の職員や、包括支援センター、居宅介護支援事業所などにもきいてみてください。
3. 買い物支援について

訪問介護による買い物支援でヘルパーを利用すると、介護保険サービスの料金はかさみます。
しかし、宅配サービスを利用することで、介護保険サービス料金をおさえることができます。
宅配サービスは、食品だけではなくいろいろな日常生活用品も配達してくれるので、とても便利です。
ヘルパーと一緒に買いものに行き外出機会をつくることができるのは、引きこもりがちの方々にとってはとてもいいのですが、食品を手に入れる目的の場合には介護費用が高くついてしまいます。
多くのスーパーで65歳以上の方々にサービスでその日のうちに配達してくれる(生もの禁止)ということろがたくさんあります。
場所によっては、200円など宅配料を取るところもありますが、65歳以上で無料としているところもたくさんあります。
ヘルパーを利用する場合には、時間の制限があるため慌てて帰ることとなることもしばしばあります。
宅配サービスを利用しておけば、ヘルパーとの外出は、ゆっくりと買い物をして、帰りは生ものだけ持って帰るなど、自分のペースで買い物を楽しむことができます。
4. 宅配弁当について

介護保険サービス(訪問介護)を利用し食事の準備をお願いしている人も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、中には、ヘルパーさんの人数も限られてきているため利用ができない場合もあります。
ヘルパーさんを派遣することはメリットが大きいのですが、食事の用意という点での目的の場合には、現在は宅配弁当という便利なサービスがあります。
1食500円前後の料金で、手渡し原則で見守りもついている宅配弁当もあります。
毎日とることで、毎日必ず安否確認がされることになるので、遠方に住んでいる家族にとってはとても安心できるサービスです。
出来立ての手作り感満載のものを食べたいと思うこともあるかもしれません。
宅配弁当の業者も冷めないうちにを目指して工夫して配達してくれています。
宅配弁当の業者が複数ある場合には、自分の好みや配達時間、料金等比べて決めるようにしましょう。
いろいろな介護サービスを見つけておこう

介護が必要になったとき、頭に浮かぶのは介護保険だと思います。
介護保険だけではフォローしきれなくなってきた現在では、介護保険以外の介護保険サービスが充実してきています。
細かい規定がありますので、介護保険では希望してもやってもらえない介護サービスもあります。
介護保険サービス以外のサービスを知る
介護保険のように介護スタッフや他利用者など人とのかかわりを持つことで、他社交流ができることはとても利点になりますが、一方で介護保険費用もかさむこととなります。
介護保険以外の介護サービスにも担当者はいますし、単にサービスを提供するだけではなく声かけや、見守りなどの役割を担っていることが多くあります。
希望のサービスが見つかったり、費用も安価な場合が多いため、介護費用の軽減につながります。
介護保険にこだわらずに地域の利用できるサービスを見つけてみませんか?
ケアマネージャーと相談しながら決めると安心です。(執筆者:佐々木 政子)