ご自宅で介護を頑張っている人、施設にお願いしている人、自分自身が介護サービスを利用しながら生活している人、状況はさまざまですが、介護には費用がかかります。
介護保険は医療保険とは異なり、
ということになります。
各種制度の活用はもちろんのこと、少しでも節約できることは実践していきたいところです。
そこで今回は、介護が必要という生活の中で、まずは気付いておきたい節約できる3つのポイントをご紹介します。

目次
1. 余計な物はレンタルしない! 福祉用具のレンタルについて
福祉用具のカタログなどを眺めていると便利そうなものや使ってみたい用具がたくさん目にとまるかと思います。
気になる用具を見つけたら、まずは代替えできるものはないか考えてみましょう。
例えば、福祉用具レンタルでベット一式をレンタルする場合、ベットのサイドテーブルをレンタルされる方がいます。
勿論、必要と判断してレンタルすることは間違いではありません。
しかし、単に入院中に病院で使用していて便利だったからということで、自宅に病院の病室をそのまま再現する必要はないということです。
病院で使用するような昇降式のベットサイドテーブルは福祉用具レンタルの場合、月額200~300円です。
少額ではありますが1年間に換算すると約3,000円になります。
3,000円あれば、3段カラーボックスなら2個、ちょっとした家具調のベットサイドテーブルや通信販売で同様の品が購入できる金額になります。
金額のこと以外でも、例えばベットサイドテーブルを配置することによって、その便利さからベットから起き上がらなくなってしまうことも懸念されます。

今、自宅にある家具で代替えできないか、本当に福祉用具レンタルでベットサイドテーブルを借りる必要があるのかを改めて考えてみましょう。
2. デイサービスの昼食 お弁当を持参していいの?
デイサービスを利用するとき、基本となる料金や入浴などの他に、昼食付の場合に支払うことになるのが昼食代です。
デイサービスの昼食代はどこも500円を超えるでしょう。
多くの利用者は、昼食代を払っても1日デイサービスで過ごすことにメリットがある方だと思われます。
しかし、中には自立度が高く独居生活が成り立っている方が、運動や他者交流を目的としてデイサービスを利用している場合があります。

自分で朝ご飯の残りや家にある食材をお昼ご飯として持参できます。
勿論、デイサービスで提供される昼食を楽しみにしているということも良いことです。
しかし、デイサービスを週2回利用している場合、1か月に支払う昼食代は5,000円前後です。
本当は週2回デイサービスに通いたいのに家計の予算の関係上、週1回で我慢しているという話を聞いたことがあります。
制度上は問題がないが、デイサービスのルールに従って
もしも、おにぎりやお弁当を持参できるなら、利用料が節約できるはずです。
そして、その浮いた費用でデイサービスの利用回数を多くすることも可能です。
・感染症や病気の観点から他の利用者様に持参したお弁当を分け与えるなどをしないというルールを守れる方。
というようにお弁当持参を実現するためには、いくつかの条件と制約がつくでしょう。
しかし、制度上は問題がないこと、そして、場合によってはお弁当作り自体が節約という枠を超えて、自立支援の活動にもなり得るかもしれません。
また、違った方向から見ると、提供される昼食を十分に食べられない方のケースでは、家族が準備した補食としてのゼリーや代替え食を持参している場合もあります。
この場合は、デイサービスの昼食が不必要であることも考えられます。
「もしかしたら、お弁当を持参した方が都合が良いかもしれない」という方は、一度ケアマネージャーに相談してみてはどうでしょうか。
3. 新たに準備しなくてもいいものは買わない デイサービスやショートステイ
デイサービスやショートステイを初めて利用するとき、準備する物が気になります。
中でも内履きについては新調される方を多く見受けます。
しかし、特別な事情がなければ履かなくなっている外履きで十分代替えできます。
下駄箱で眠っている靴の底を拭いて持参すれば、問題なく使用できる場合がほとんどです。
改めて靴を購入することは、費用だけではなくサイズを合わせるのも意外に大変です。
本人が履いていた靴ならばフィットしますし、履き慣れているという点でも安心です。
介護の節約は、ほんの少しの気づきから
介護が必要となっている生活の中で、できる節約はほんの少しの気づきから生まれます。
1日や1回で見ると少額であっても、1か月や1年単位でみると大きな節約になります。
また、節約できた分を有意義に使うために、必要経費をかける優先順位を決めておくとストレスが少なく節約できるようになります。
節約が身についてくると「やりくり上手」になり、節約が楽しくなってくることでしょう。
介護はこうでなければいけないということはありません。
1人1人必要な介護が違うのですから、「こうしたら助かる」という声を伝えていきましょう。
ケアマネージャーはいつでも、利用者の考えや希望を参考にしたいと考えています。(執筆者:佐々木 政子)