最近では、インターネットで加入できる生命保険などもだいぶ増えてきているようですが、まだ皆さんが保険に加入する際には、保険会社の営業マンや保険代理店の販売員を介して加入することが多いでしょう。
保険の契約手続きをしてくれる人を保険募集人と言いますが、今回はこんな募集人への保険相談は注意が必要という話をしたいと思います。

目次
公的保障を伝えない保険募集人に要注意
本来、民間の保険は、自分たちが加入している社会保険から受け取れる保障で足りない場合や、生活が困ってしまう場合に必要です。
しかし、公的な保障についての説明が一切無く、いきなり取り扱っている保険の話だけしてくる募集人には注意が必要です。
社会保険からの保障を考慮せずに民間の保険に加入する場合は、不要な保険や必要以上の保障に入ってしまい無駄な保険料を支払ってしまうことになります。
募集人から説明してほしい最低限必要な公的保障
すべての公的な保障の話をしようとすると時間がいくらあっても足りませんので、最低限、次の点についての説明が必要です。
2. 就業不能保障:傷病手当金、障害年金
3. 医療保険やがん保険:高額療養費制度、付加給付
これらのものは保障される金額も大きいため、最低限抑えておきたい公的保障となり、募集人の方からしっかり説明が欲しい部分です。
募集人としてのNGワード

次は、本来であれば募集人があまり口に出すべきでないワードをその理由とともにご紹介します。
NGワード1「保険はお守りなので」
保険に入っている人は病気にならず、保険に加入していないと病気になるといった話ですが、よく考えると健康な人しか保険には入れないので、お守りなど無関係な当たり前の話なのです。
それでも保険はお守りという募集人は、本来の保険の役割やそれを理解することによる安心感を提供できないのではないでしょうか。
NGワード2「皆さん入っていますよ」
保険はそれぞれの家庭に合ったものに入らなくてはいけません。
運用商品などの利率のよいものであればそういった状況でもうなずけますが、低金利による予定利率で万人に合う保険というのはなかなかないのが現状です。
皆と同じ行動をとりたがる日本人にとっては、良くも悪くもとても響きやすい言葉なので注意しましょう。
NGワード3「確実に増えます」
終身保険で運用する場合には、将来解約した時に受け取れる金額が加入時の利率であらかじめ決められています。
確かに、数字上の話でいけば100%以上の返戻率となっているので、間違いではないのかもしれません。
しかし、将来インフレとなった場合には、受取時の価値としては目減りしているリスクがあります。
また、終身雇用制度が崩壊したと言われている今の時代では、何十年も保険料を払い続けられるという確実な保証もなく、短期解約による元本割れのリスクもあります。
そういったリスクについて話がない場合には注意が必要でしょう。
保険加入前の判断材料に
今回は、保険の相談を担当してくれている募集人の対応で注意していただきたい点についてお伝えしました。
もちろん、相談者の知識に応じて社会保険の話などは割愛される場合があるかもしれません。
しかし、NGワードでご紹介したような言葉が相談中に出てきた際には、提案されている保険の内容についてあらためてじっくり考える方がよいでしょう。(執筆者:西田 凌)