保険外交員に対して以下のような疑問や印象を持つ人は、少なくないと思います。
2. お客様が保険に入るまでは一生懸命だけど、入ってしまうとパッタリ来なくなる。
3. キャンペーンに釣られて名前や誕生日を言おうものなら、保険を提案される。
4. しつこい。
5. 良い事しか言わないけど、悪い事はないの?
そこで、そんな疑問や印象を生む保険外交員の背景をお話しようと思います。

目次
1. 担当者が頻繁に変わる
かんぽ生命の不適切な保険販売の背景に厳しいノルマがあった事を社長が認め謝罪しましたが、これはかんぽ生命だけの話ではありません。
保険会社の中には、1年など一定期間のノルマが達成できないと雇用契約が解除になるところもあります。
担当者が頻繁に変わる背景には、
・契約が取れない事に対する上司の理不尽な叱責に耐え切れず退職
といった事があります。
2. お客様が保険に入るまでは一生懸命だけど、入ってしまうとパッタリ来なくなる
厳しいノルマを達成するために、保険外交員は駆けずり回らなければなりません。
信頼関係深めるためには定期的な訪問が大切ですが、時間は限られていますし疲れもしますから、保険を提案できるお客様・加入してくれそうなお客様を優先する保険外交員が多いのでしょう。
敏腕外交員の中には、契約はたくさん取って来るけど、入院給付金などの請求手続きや住所・口座・受取人などの変更といった事務的な手続きの要請はほったらかし、その方法もよく分かっていないという人もいました。
3. キャンペーンに釣られて名前や誕生日を言おうものなら、保険を提案される
名前や誕生日を言えば保険を提案されるのは避けられません。
キャンペーンの大きな目的は、提案先探しでもあります。
保険外交員にとって一番難しい仕事は提案先を見つける事と言ってよく、喫茶店のお客様に声をかける保険外交員もいると聞きましたし、外交員同士がお客様を取り合ってトラブルになる事も珍しくありません。
保険外交員の中には、自分の家族、親戚、友人などを一巡して、後が続かず契約解除になる人も多くいるようです。
4. しつこい
契約を取れば取るほど給与が増えるのですから、契約が欲しいばかりに周りが見えなくな人はいるでしょう。
お客様にはご迷惑だと思いながらも繰返し提案してしまうのも、結局は同じ事です。
次々に別の提案先が見つかれば、そんな事にもならないのでしょうけど…。
5. 良い事しか言わないけど、悪い事はないの?
頻繁に行われる研修の大半は契約を取る方法で、概ね以下のように集約できます。
中にはかなりテクニカルなものもあります。
・ 給与の仕組み → どうすれば給与が増えるか。
・ 提案先の見つけ方 → 誕生日が近い人、就職・結婚・定年をする(した)人、更新・満期が近い人、契約が古い人、○○保険に加入していない人、など。
・ 話法 → ニーズ喚起、会う事や加入を断られた時の切り返し方。
・ 現在の保険の見直し提案において、お客様にアピールできそうなプランの作り方。
・ 現在の保険の見直し案を保険外交員にとって得なものにする方法。
会社側は外交員のモチベーションを高める事が重要なので、給与が増える仕組みや保険外交員にとって得な保険にする方法には、多くの時間が費やされます。
お断りの原因になりそうな、デメリットの説明や各種公的制度の勉強については、保険外交員の自主性に委ねられているといった感じです。
いかに多くの契約を挙げられるかが教育の中心・関心の中心になるので、良い事ばかりを言うのが自然な流れになっている保険外交員が多いのかもしれません。
皆さんに必要な事とは
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保険外交員の背景を知って頂いたところで、皆さんに必要な事は、
・保険が必要だと思った時には、時間を惜しまず外交員の人間性と知識を見極める
という事です。(執筆者:金澤 けい子)