オレオレ詐欺が大流行してから10数年が経過しますが、特殊詐欺がなくなる気配がありません。
平成30年中の特殊詐欺の認知件数は1万7,844件、被害総額は約382.9億円にのぼります。

特殊詐欺に使われる手口の1つが、税務署職員を装った犯行です。
今回は、税務署職員を装った詐欺師を見抜く方法をお教えします。
目次
ポイント1. 自分の所轄税務署と電話番号は必ず覚えておくこと
税務署は全国に524か所あります。
各税務署には管轄が存在し、管轄外の人に対して電話をすることはほとんどありません。
従って、自分の住んでいる場所を管轄する税務署以外から電話があった場合には、その時点で詐欺の可能性があります。
また、税務署職員が携帯電話から電話をすることは、まずありません。
ポイント2. 税務署はたとえ家族であっても申告書の内容は話さない
税務署が確定申告の内容確認のために電話をすることはよくありますし、還付金の振込先について聞くこともあります。
しかし、税務署が確認する相手は、必ず申告した本人のみです。
確定申告書の内容も個人情報です。
たとえ配偶者であっても、申告書の内容を伝えること自体が守秘義務違反に抵触する可能性があり、税務署は本人としか話をしません。
また、税務署が電話する際には、本人確認のために最初にあなたの名前を言って、正しいかを聞きます。
この点、あなたが誰かを認識できていない電話相手は、税務署職員ではない可能性が高いのです。
ポイント3. 税務署は折り返しの電話には必ず応じる

振り込め詐欺などは、詐欺とわからないようにするために、折り返し電話を避ける傾向にあります。
しかし、実際の税務署は真逆で、税務署は折り返しの電話に応じますし、
と聞いても、まったく問題ありません。
大袈裟かと思われるかもしれませんが、詐欺被害に遭った方の多くは自分が被害に遭うとは想像もしていません。
このことから、それくらいの防犯意識をもっていても、損することはないのです。
税務署職員も詐欺師と勘違いされることがある
特殊詐欺から身を守る方法を説明しましたが、私が税務署職員として電話をした際、振り込め詐欺と勘違いされたことがありました。
もちろん税務署・所属部門・氏名を名乗り、何度も説明をしましたが、このような事件が頻発すると電話で信用してもらうのは本当に難しいものです。
私の件は一例ですが、特殊詐欺の影響で税務署の実務にも影響が出ているのも事実です。
国税庁のホームページでは、振り込め詐欺についての注意喚起を行っています。

99%の電話は何も問題ありません。
しかし、詐欺師は1%の隙を狙ってくるので、税務署からの電話あった際は、少しだけ気をつけてください。(執筆者:平井 拓)