今回は、トルコ・リラ建債券で含み損を抱えている方、これから投資を検討されている方に、現在の相場環境を乗り越えるためにはどうすればいいのか解説していきたいと思います。

目次
1. 途中で円転するのではなく複利で外貨を増やす
トルコ・リラ建債券は、為替が長い間下落していたことから含み損を抱えている投資家が非常に多い債券です。
あまりにも下げ止まらないことから、途中売却や償還時に円で受け取り資金を引き揚げてしまう方は後を絶ちません。
このような場合に重要となってくるのが、いったん円での概算金額を忘れることです。
外国債券の魅力は高い利回りであり、外貨ベースでは発行体が潰れない限り元本は保証されています。
つまり、外貨は金利分確実に増えていき、これを用い債券の償還が迎えるたびに次の債券に切り替え外貨を倍以上に増やしていきます。
外貨が倍に増えれば為替が半値になっても理論上元本割れすることはなく、さらに長期で運用し外貨が4倍となると為替が1/4となっても元本を割れることはなくなります。
2. より長期の債券で運用する

トルコ中銀は、通貨防衛のため政策金利を24%相当まで引き上げ、現在は19%台まで引き下げていますが、まだまだ金利は高い水準で推移しています。
しかし、現在の市場金利は12%相当まで引き下がっているため、近い将来さらなる利下げが行われる可能性が高まっています。
政策金利が過去平均並みに推移している場合は、期間の短い債券での運用が好ましいとされていますが、このように金利が異常な水準で推移している場合は、できるだけ長い期間の債券を選択する必要があります。
これにより高い利回りを長期間固定化することができるので、外貨を増やすペースを速めます。
証券会社ごとに取り扱っている期間は異なりますので、より良いものを選択するようにしましょう。
3. 既発債を買い付ける
新品が中古となった時の価格の下げ幅ほど大きいものはなく、これは外国債券にも当てはまります。
外国の債券の利回りは、新発債よりも既発債の方が高く設定されており、みなし手数料も少ないので、外国債券を買い付ける際は既発債を選択しましょう。
外貨を増やすために必要な時間を冷静に判断する
トルコ・リラ建債券で元本が半値になってしまったから諦めるのではなく、どうすれば現状を改善することができるのか正しい知識を身に付ける必要があります。
上記のポイントを踏まえた上で、目標とする外貨を集めるためにはどれだけ時間を要するのかを冷静に判断できるようにしましょう。(執筆者:白鳥 翔一)