消費税が10%に増税されたことで、介護サービスを利用する際にかかる費用も少額ですが値上がりしました。
これに伴って、私たちが介護保険サービスを利用できる単位も上乗せされましたが、介護サービスを目いっぱい利用しない限りはあまり実感が得られないでしょう。
介護はなかなかゴールが見えない分、この先かかっていく費用のことが心配になります。
では、私たちが今できる介護費用の節約にはどのようなものがあるのでしょうか。

目次
増税で値上げされた介護サービスの項目
介護保険に関することで、何がどのくらい値上げされたのかを整理しましょう。
値上げされた項目・内容・金額
【内容】
デイサービスやショートステイなどの基本料金
【値上額】
10円未満程度
(2) 食費
【内容】
デイサービスやショートステイの食費やおやつ代
【値上額】
10円未満程度
(3) 居住費
【内容】
ショートステイにおける部屋代
【値上額】
個室:20円程度
多床室:15円程度
(4) クリーニング代
【内容】
施設やショートステイでのクリーニング代
【値上額】
施設やショートステイによって異なるが100円未満程度
デイサービスの食費やおやつ代、ショートステイのクリーニング代は各事業所ごとに異なります。
少額ずつのように見えますが、トータルで1日50~100円近く値上がりしている場合、ショートステイを連続して毎日利用している方にとっては月に1,500~3,000円くらい値上がりしていることになります。
医療面でも増税による診療報酬改定あったので、高齢者1人にかかる費用は増加したという実感を持たれる人も多いでしょう。
また、デイサービスのように自宅で介護をしている方にとっては、おむつやウエットティッシュなどの衛生用品も値上がりしたことで、増税の影響を強く感じることでしょう。
私たちにできる節約は何か
介護が必要な人を持つ家族にできる節約は何でしょう。
デイサービスの利用やショートステイの利用を控えることでしょうか。
おむつを取り換える回数を減らすことでしょうか。
どれもこれまで必要としてきたサービスや物品なので、なかなかそれらを減らすというのは現実的ではありません。
節約のためにデイサービスの利用を減らせば、高齢者の方は体力や気力が衰えてしまうかもしれません。
ショートステイの利用を我慢すると家族がリフレッシュする時間が無くなってしまいますね。
そして、結果的に体調を崩すことやさらに介護が必要な状態になるなどして、医療面でのお金もかかり増しになる可能性もあります。
介護量が増えると、家族の気持ちに余裕がなくなります。
すると、楽に済ませてしまいたいことが増え、買い物が増えてしまうでしょう。
また、昼夜の在宅介護に伴って水道光熱費がかかるなど、
に陥ってしまうかもしれません。
無理をしないように優先順位を決める

物事の「できる」、「できない」の仕分けを行い、優先順位を決めましょう。
例えば、デイサービスに行く目的が「外出」や「人との交流」、自宅で入浴ができるという場合はどうでしょう。
週2回デイサービスを利用しているケースでは、50円 × 10回/月で1か月500円
の節約です。
ショートステイの利用ではどうでしょう。
洗濯を自宅で行うことでクリーニング代を節約できます。
少しばかりのことですが、積み重なると「増税分は取り返したぞ」という気持ちになるでしょう。
宿泊を伴うサービス利用は「負担限度額認定」を再申請

介護保険制度の中にはショートステイなどの宿泊を伴う介護サービスについて、
があります。
長くショートステイを利用している場合には、ショートステイの最初の利用時に申請し非該当になってしまって諦めている方も多くいると思われます。
実は、平成27年度に審査基準が変更になっているので、諦めてその後は申請していないという方は、この機会に申請してみてはどうでしょうか。
該当すれば、食費と居住費が今よりも安くなります。
特に食費は半額以下になる可能性もあるので、申請してみる価値はあるでしょう。
担当のケアマネージャーに相談してみてください。
介護制度の内容もやり方も見直す機会
介護に関わる費用や、毎日当たり前のようにかかる費用を今から節約するのは難しいことです。
無理をすると心身に負担がかかるだけではなく、家族全体にストレスがかかってしまいます。
無理をせずに今できる節約を考える際に、制度の最新情報を知ることや少し方法を見直すことで節約できます。
また、これを機会に「増税のせいでお金がかかるし、やることも増えた」と捉えるのではなく、自助力の再確認ができることをよしとしましょう。
そうすることで家族の絆が深まるとともに、家族が協力して無理なく生活していくための心得が育っていきます。(執筆者:佐々木 政子)