全国を網羅する郵便局は、地方や離島在住者にとっては重要なライフラインともいえます。
今では、コンビニでも切手やはがきの購入、ゆうパックの配達依頼が可能なため、筆者も以前ほど郵便局へ行かなくなりました。
加えて、セブンイレブンでnanacoを使い年賀はがきを購入できるのに、郵便局では現金払いのみなのは損な気がするのです。
しかし、2020年2月より郵便局でもキャッシュレス決済の本格導入が開始します。
この記事では、郵便局が開始するキャッシュレス決済の概要、注意点などを解説します。

目次
2020年2月より郵便局でもキャッシュレス決済を本格導入
これまで、郵便局での支払いは基本的には現金払いのみでした。
しかし、2020年2月3日より全国65の郵便局でキャッシュレス決済を導入するのを皮切りに、2020年5月には約8,500局でキャッシュレス決済の利用が開始されます。
キャッシュレス決済の対象となる商品・サービスは、以下の通りです。
・ 切手、はがき、レターパックなどの販売品(印紙を除く)の支払い
・ カタログ、店頭商品などの物販商品の支払い
利用可能な決済ブランドはクレカ・電子マネー・スマホ決済など多彩
気になるのが利用可能な決済ブランドですが、クレカ・電子マネー・スマホ決済など多彩です。
決済方法ごとに、利用可能なブランドを以下で紹介しましょう。
クレジットカード・デビットカード・プリペイドカード

≪画像元:日本郵便≫
・ Mastercard
・ JCB
・ アメックス
・ ダイナース
・ 銀聯
主要な国際ブランドには全て対応しているので、手持ちのクレカが対応していないことはまずありません。
日本人よりも切手好きが多いといわれる訪日中国人を意識してか、銀聯カードも使えます。
クレジットカードだけでなく、デビットカードやプリペイドカード(非接触対応カードも含む)も利用可能です。
電子マネー

≪画像元:日本郵便≫
・ WAON
・ QUICPay+
・ 交通系ICカード
筆者が愛用している電子マネーの「nanaco」が入っていないのは残念ですが、それでも十分です。
ただし、交通系ICカードのうち「PiTaPa」は利用できませんので、大阪に住んでいる方は特に注意してください。
スマホ決済

≪画像元:日本郵便≫
・ Amazon Pay
・ au PAY
・ d払い
・ LINE Pay
・ メルペイ
・ Origami Pay
・ PayPay
・ 楽天Pay
・ アリペイ(Alipay)
・ WeChat Pay
自社のスマホ決済サービスである「ゆうちょPay」はもちろん、他にもこれでもかと言わんばかりにスマホ決済サービスを取りそろえています。
やはり訪日中国人を意識してか、アリペイやWeChat Payも入っていますね。
郵便局でキャッシュレス決済のメリット
郵便局でキャッシュレス決済が利用できるようになると、利用者には以下のようなメリットが考えられます。
モバイル決済端末1台であらゆる決済方法にスピーディーに対応

≪画像元:PayPay≫
キャッシュレス決済の導入に伴い、郵便局ではモバイル決済端末(Panasonic社製JT-C522)を導入します。

≪画像元:Panasonic≫
このモバイル決済端末1台で、
・ ICチップ式クレジットカード
・ 非接触型ICカード(電子マネーなど)
・ バーコード・QRコード決済
などあらゆる決済に対応可能です。
特にスマホ決済では、利用者がお店のQRコードを読み取る「ユーザースキャン」だとうまくいかない可能性が高いですが、これを使えばお店が利用者のスマホのコードを読み取る「ストアスキャン」ができます。
利用者にとっては手間取る可能性も低くなりますね。
高額利用もキャッシュレス決済で心配なし
年賀はがきはコンビニでも買えますが、種類・在庫がさほど豊富ではありません。
しかも、コンビニではクレカ・電子マネーで切手・はがきを買うことができません(セブンイレブンでのnanaco払い、ファミリーマートでのFamiPay払いなどを除く)。
その点、郵便局ならば種類も豊富で在庫もたっぷりあります。
大量購入の際、これまでは多額の現金を持参する必要がありましたが、2020年からはキャッシュレス決済でその心配もありません。
特に個人事業主の人は会計処理が楽になりますね。
特にスマホ決済はお得がいっぱい
利便性が高まるのもキャッシュレス決済のメリットですが、現金払いにはないポイント還元があるのも、キャッシュレス決済のメリットです。
特にスマホ決済は、ポイント還元の点では抜きんでています。

≪画像元:au≫
特にお得と思われるのが、au PAYです。
auスマートパスプレミアム会員(月額499円)を対象に、毎月毎月3・13・23日のポイント還元率を最大20%にする「三太郎の日」を実施しています。
郵便局は最大19%還元になりそうですが、それでも十分にお得ですね。
注意点
お得で便利なことには違いない郵便局でのキャッシュレス決済ですが、以下のような注意点もあります。
利用できない商品・サービスがある
書き損じたはがきを郵便局で交換できるサービス、あまり知られていません。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
筆者は年賀はがきのあて名を手書きで行っていますが、5%の確率で書き損じます。
1枚につき5円の手数料で交換可能ですが、問い合わせをしたところ、日本郵便のキャッシュレス決済ではこのサービスを支払えないとのことです。
また、以下のサービスについてもキャッシュレス決済を利用できないそうです。
・ ゆうちょ銀行を使った払込
・ 印紙
今後、日本郵便からの発表で変わる可能性もありますが、現時点では上記の商品・サービスには利用できません。
スマホ決済がローソンでキャンペーンを行っているときはローソンの方がお得かも
切手やはがきの販売、ゆうパックの受付などは、ローソンでも行っています。
スマホ決済がローソンでキャンペーンを行っているときは、ローソンの方がお得かもしれません。

≪画像元:d払い≫
特にd払いでは、コンビニで高還元キャンペーンを行うことが少なくありません。
ローソンでゆうパックの送料を支払うのにもd払いは利用可能で、キャンペーン時にはポイントが満額還元されます。
ローソンに荷物を持ち込むと120円割引(郵便局持込は160円割引)が適用されます。
20%還元キャンペーン時に810円の送料をd払いで支払うと、160ポイントが還元される計算です。
特に、ローソンでスマホ決済関係のキャンペーンがあるときにゆうパックを利用する人は、ローソンも検討してください。
ゆうパックはゆうパックスマホ割が最安

≪画像元:日本郵便≫
お得かつ便利にゆうパックを利用したいのであれば、スマホアプリから利用可能で
・ 事前にクレジットカード決済OK
・ 宛名ラベルの手書きが不要
・ 相手の住所が分からなくても送れる
などのメリットがある「ゆうパックスマホ割」がおすすめです。
本格展開は2020年5月から
郵便局でキャッシュレス決済がスタートするのは、2020年2月3日からで、しかも都道府県庁所在地を中心とした全国65の郵便局に限定されています。
全国約8,500局で本格展開するのは2020年5月からと、少々先の話です。
郵便窓口のキャッシュレス決済解禁で、キャッシュレス化が本格的に進むか
コンビニなどの台頭でかつてほどの存在感はありませんが、それでも郵便局はなくてはならない存在です。
これまで、郵便窓口はキャッシュレス決済とは無縁でしたが、2020年にいよいよキャッシュレス決済が解禁となります。
老若男女問わず利用する郵便局がキャッシュレスに舵を切ったことで、今後は他の業種でもキャッシュレスが広まるかもしれません。(執筆者:角野 達仁)