働き盛りの中高年の方が健康診断を受けた後に、
・ 血糖値が高い
・ 血中脂質が高い
・ 肝機能の数値が良くない
といった指摘を受けることは珍しくありません。
その後、医師と相談してお薬を飲むことになり、定期的にお薬の処方を受けることになった場合、費用が気になってくる方もいらっしゃると思います。
そんな時は、ジェネリック医薬品を選択肢の1つに入れてみましょう。
目次
ジェネリック医薬品ってよく聞くけど、どういうもの?

ジェネリック医薬品とは、有効成分、効果、用法、分量などが先発医薬品(新薬)と変わらず、品質的に同等の物であると厚生労働省が認めた医薬品のことです。
先発医薬品の特許期間が終わった後に申請・製造・販売する関係上、ジェネリック医薬品の方が価格が抑えられるようになっています。
製品によっては味や色、香りなどがジェネリック医薬品と先発医薬品とでは違う場合がありますが効果は同じです。
ジェネリック医薬品にすると、どの位お得になるの?
高血圧のお薬の場合
例えば高血圧のお薬の種類の1つ、テノーミン錠50で試算してみると、
・ ジェネリック医薬品1錠あたりの薬価: 8.3円
↓
・ 1錠あたりの差額: 111.5円 – 8.3円 = 103.2円
です。
そして、このお薬を1日1回飲むと仮定して1か月分処方した場合、先発医薬品とジェネリック医薬品の薬価の差額は、約3,100円になります。
ここへ健康保険の自己負担割合を計算に入れますので、3割負担の方は約930円、1割負担の方でも約310円の節約ができることが分かります。
これは1か月分の試算ですので、半年分になると、
・ 健康保険自己負担割合1割負担の方: 約310円 × 6か月 = 約1,860円
の節約になります。
高脂血症のお薬の場合
高脂血症のお薬の種類の1つ、リポバス5の場合は、
・ ジェネリック医薬品1錠あたりの薬価: 39.6円
↓
・ 1錠あたりの差額: 141.7円 – 39.6円 = 102.1円
です。
先ほどの高血圧のお薬のときと同じように試算すると、1か月あたり自己負担3割の方は約920円、1割の場合は約306円の節約となり、半年分になると、
・ 健康保険自己負担割合1割負担の方: 306円 × 6か月 = 約1,840円
を節約することができます。
なお、高血圧にはテノーミン錠50、高脂血症にはリポバス5で試算しましたが、お薬の種類も、投薬量も回数もあくまで一例です。
自分の飲んでいるお薬はジェネリックにするといくらになるのか知りたい

現在は、病院で処方されたお薬をジェネリック医薬品に変えることが原則としてできるようになっています。
その際は担当の医師や薬局で相談するのですが、実際にどの位の節約になるのか知りたいときに使える便利なサイトが、ジェネリック医薬品検索・試算サイトのGenecal(ジェネカル)です。
こちらのサイトに、先発医薬品(新薬)として飲んでいる、あるいは処方されているお薬の名前を入力すると、ジェネリック医薬品になった時のお薬名とお薬の差額が出てきます。
ジェネリック医薬品の相談をしてみたいと思った場合、気になるお薬代についてなど、先に下調べすることができますので大変便利です。
お薬の民間保険がついに登場「メディフィットEX」

肝疾患、糖尿病、高脂血症などいわゆる生活習慣病の場合、長期の投薬が必要になることが多いですが、こういった薬剤治療に対しての保険がメディケア生命保険株式会社より2019年5月から発売されています。
商品名は「メディフィットEX」で、保険の支払い対象になるお薬の種類は約1,400品目あり、入院、通院、手術、在宅医療等の要件を問わないそうです。
また、保険の請求はなんとなく手間がかかるイメージがありますが、お薬の検索をWEB上で行い、請求も簡単にできるようになっています。
ジェネリック医薬品で医療費を節約しよう
高齢化社会で医療費負担が増え続ける現状、ジェネリック医薬品は医療費の抑制につながると期待されています。
個人のお財布にも優しいジェネリック医薬品を選択肢の1つとして考えてみるのもいいかもしれません。(執筆者:AFP、2級FP技能士 大川 真理子)