テレビ番組やニュースなどで「○○市のギョーザ支出額」とか「アイスクリームの全国平均の消費支出額」などといったデータが取りあげられることがあります。
一体どのように調査しているのでしょうか。
実はこれ、総務省が行っている「家計調査」がもとになっているのです。
私たちとも関係の深い、家計調査についてお話しします。
目次
「家計調査」とは
総務省統計局のホームページを見ると、
家計調査は,国民生活における家計収支の実態を把握して,景気動向の重要な要素である個人消費の動向など,国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を提供するため,総務省統計局が毎月実施している統計調査です。
家計調査の調査対象は学生の単身世帯等を除く全国の世帯で,2015年の国勢調査によると,これらの世帯は約5157万世帯で全国の世帯の約96.5%を占めています。
この中から無作為に選定された調査世帯で6か月間(単身世帯は3か月間),毎日のすべての収入と支出を家計簿に記入していただきます。
家計調査は,一定の統計上の抽出方法に基づき選定された全国約9千世帯の方々を対象として,家計の収入・支出,貯蓄・負債などを毎月調査しています。
とあります。
家計調査の対象になる世帯は、無作為に選ばれています。
選ばれた家庭には「家計簿」が配布され、毎日の収入・支出について記入し、調査員の方が毎週決まった曜日に回収にきます。
前述の通り、2人以上の世帯については6か月、単身世帯については3か月継続して調査されます。
現在はオンライン調査が順次導入されているとのことです。

年代別に支出が増える品目
この調査結果の中で、「年齢階級別に見た暮らしの特徴」といものがあります。
自分にあてはめて考えると、40代、50代で教育関係費の支出が多いという点は、まさに実感するところです。
意外だったのが、60代はスポーツ施設利用料への支出が多いという点です。
フィットネスクラブやジムへの出費が増えるのでしょう。
今はジムにお金をかけようとはあまり考えられませんが、自分がその年代になってみると健康維持のためにお金をかけようと思うのでしょうか。
同様に70代ではサプリメントへの支出が増えています。
今後、自分にどういった種類の支出が増えていくのか、どの程度の支出になるのかなど参考になりそうです。


気になる食生活の支出には土地柄が反映される
さまざまな食品についての購入数量や支出額の全国平均も、この調査でわかります。
食品ごとの支出額は土地柄などにも影響を受けるようです。
コーヒーの場合
コーヒーを見てみましょう。
コーヒーの1人当たり年間支出金額の全国平均は6,301円ですので、月に525円ということです。
夫婦2人なら約1,000円/月というところでしょうか。
全国1位は京都で、年間支出金額は8,372円と、全国平均の1.3倍です。
理由として、人口あたりの大学数が多いことがあげられていて、コーヒーを飲む文化が根付いたと分析されていますが真相のほどはわかりません。
ちなみに家計調査では、レギュラーコーヒー(豆、粉 など)、インスタントコーヒーなど液体以外を 「コーヒー」としています。

さつまいもの場合
秋になると気になるさつまいもはどうでしょうか。
2人以上の世帯の場合には、1世帯当たりの月別購入数量は10月がピークで317gだそうです。
あくまでも全国平均ですが、さらに気になる方はチェックしてみてください。
「家計調査」のデータは国の政策の基にもなる
聞きなれない「家計調査」ですが、このデータが国の政策の基にもなるのです。
スマートフォンの料金プラン見直しについて政府が言及して話題になりましたが、「1世帯当たりの携帯電話利用代金が増加している」という結果を受けて、政府が携帯料金の引き下げを要請しました。
それまで家計簿をつける習慣がなかった友人は、この家計調査の対象世帯となった折に必死に家計簿をつけたそうです。
家計簿をつけて、家計調査の結果と比べるのもおもしろいかもしれません。(執筆者:桐谷 春音)