第7回目となる今回は、iDeCoで積み立てることのできる投資信託という金融商品について見てみましょう。
結論を先に記しますと、
ということです。
どういうことかを、詳しく説明します。
目次
投資信託とは?

投資信託とは、数十~数千の株式や債券などを入れることのできる、魔法のように便利な金融商品です。
もちろん魔法というのは比喩です。
メリットとしては、資産形成の安全性を高める、つまり価格が変動する幅を小さくする効果が自然と得られます。
デメリットは手数料がかかること
投資信託最大のデメリットは、手数料です。
手数料は運用成績にとって悪い影響しか与えないのです。
初心者の方にわかりやすく言いますと、信託報酬と呼ばれる手数料が0.3%より高いものは無視して構いません。
最近ではより一層の引き下げが進んでいますので、0.1%台、あるいはそれ以下から選択すれば手数料の問題は解決します。
投資信託の分散効果(PF効果)
さてそんな投資信託ですが、なぜiDeCoやつみたてNISAに入っているのでしょうか。
ちなみにiDeCoとつみたてNISAでは、個別(単品)の株式や債券が買えません。
じつは投資信託のように、複数の金融商品を組み合わせると、資産形成において安全性が高まることが分かっているからなのです。
なぜそんなことが起こるのでしょうか。
正確な表現ではありませんが、ものすごく乱暴に言いますと、お互いの値動きがお互いの値動きを打ち消し合うためです。
そのため、合計での値動きの変動が低減されます。
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分散すれば合理的になる
個別の株式を保有すると、値動きの変動が激しくて安全性が低いので、分散すると、値動きの変動がおとなしくなって、安全性が高まります。
だからiDeCoやつみたてNISAでは、より合理的な資産形成になるように、個別の株式は買えずに投資信託という形しかない、という専門的な「優しさ」があらかじめ組み込まれている、と筆者は考えています。
これを分散によるリスク低減効果ですとか、ポートフォリオ効果などと呼んだりします。
1990年にノーベル経済学賞を受賞したハリー・マックス・マーコウィッツ先生のModern Portfolio Theory(現代投資理論)が有名です。
iDeCoで買える投資信託 手数料には気をつけて
投資信託を保有すれば、誰でも専門家レベルでの分散投資とリスクの低減が可能です。
ただ、手数料が高すぎたり、特殊な投資信託なためにマシでないものもあります。
手数料が0.3%より高いものには気をつけましょう。
老後のための資産形成であれば、なおさら価格変動が低い方が合理的になると筆者は考えています。(執筆者:佐々木 裕平)