「損している状態がつらいので投資は向いていないのかも。」
そのように感じている人は多いと思います。
実際に何度かの急落でやめてしまった人も見てきました。
筆者は15年以上インデックス投資や積立投資を続けています。
結論から書きますと、現時点で「つみたてNISAが儲からない」と思うのは当然のことです。
株式投資は平均して年5~7%程度の利益が見込めるのですが、リーマンショックのような歴史的暴落やさまざまなバブルでも投資を続けてこその結果。
ですので、現在思ったより儲かっていなくても問題はありません。
株式市場には平均回帰という言葉があり、上がり過ぎたものは下がり、下がり過ぎたものは上がります。
こういった波に逆らわず、コツコツと長期積立で資産形成をするのが「つみたてNISA」というものです。
では、実際に長期チャート・短期チャートを見比べながら確認をしていきましょう。
目次
短期間ではなく長い目でみていこう
投資というのは長い期間を使い資産形成をしていくものです。
下記の画像は新興国を含む全世界の株式の長期チャートです。
見ると、リーマンショックを挟んでも右肩上がりなのが伝わるのではないでしょうか。
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※実際には2%程度の配当が入ってくるので、それも含めて5~7%というリターンになります。
つみたてNISAは長期にわたって投資をしていくためのツール。
・ 少額
・ 長期
・ 積立
という3本の柱でできており、株式をもちいた商品が大半を占めます。
リーマンショック以降、株式市場は強烈な巻き戻し相場が続いていました。
特に2017年はどういった商品を買っていても儲かったという1年です。
半面、2018年から始まった「つみたてNSIA」は1月末の急落や10月頃からの下落などがあり、株式らしいボラティリティ(値動き)が戻ってきました。
実際に2年チャートで見てみましょう。
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長期チャートに比べるとかなり値動きが激しいですよね。
そして2年かけても年5~7%の利益が出ている人は少ないかも知れません。
ただ、これは相場の地合いが悪かっただけで、あなたの運用が失敗したわけではありません。
相場とはこういうものなのです。
低迷期にコツコツと積み立てていることで、将来には大きなリターンを得られます。
2018年、2019年と苦しい地合いでしたが、「非課税期間が終わる20年後が楽しみ」とも言えるでしょう。
株式リターンの源泉は経済成長と企業の利益である
株式のリターンの源泉は経済活動にあります。
会社の売上でも良い時があれば、悪い時もあります。
多くのサラリーマンは自社のサービスをたくさん売りたいし、経営陣は利益をしっかりと出そうと頑張っているはずです。
200年という長い目で見た場合、「企業の利益・価値の上昇」と「株式の利益・価値」は同じ伸びを示してきました。
ただし景気であったり業界の遷移があったりで、短期間では大きくブレが生じます。
これは仕事を通じて、誰もが経験している事ではないでしょうか。
しかし、数十年前に比べて確実に売り上げや利益は成長をしてきています。
成長できなかった企業は倒産・廃業して、ITなどの新しい産業が社会全体の利益を押し上げます。
バブル崩壊から失われた30年と言われる日本でも、実際には産業構造の入れ替わりも含めて、日経平均は配当込みで8割弱ほどに戻っています。
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日本企業もバブル崩壊で苦しみながら、徐々に筋肉質な経営になってきました。
今後、世界のさまざまな国でも低迷や景気の影響をうけますが、長期で見ると人々の生活によりサービスは消費され経済は成長をしていきます。
株式投資もその恩恵を同じくうけて成長をしていくでしょう。
短期で見ると大きな変動がありますが、リターンの源泉をしっかりと確認しながら長期で投資をしてきたいですね。
つみたてNISAはコツコツ投資
・ 株式リターンの源泉は経済成長と企業の利益である
現在は市場の値動きが激しいものの、20年以上の長期保有した場合、安定して5~7%程度のリターンをもたらしてきた実績もあります。
つみたてNISAでは全世界への株式に投資できるものが増えてきました。
日本株式だけでなく人口増加と共に成長している全世界株式を使うのも良いです。
低迷期こそ仕込み時と考えてコツコツ投資をしていきましょう。(執筆者:松崎 正義)