「高齢の親」をもつ家族にとって、冬になると不安材料となるのが暖房問題です。
高齢者世帯や一人暮らしでは火事の心配がつきまといます。
高齢者の防火対策を推進している総務省消防庁によると、火災の死者の6割以上が65歳以上の高齢者ということです。
暖房機器の使用方法がわからなくなるということだけが火災の原因ではありません。
洗濯物をこたつの中やストーブの上に干して乾かそうとしたり、暖房機器自体の劣化による火災など周辺の環境に気を払うことや機器の管理が十分にできず、予想外のことで発火し、火災が起きてしまう危険があるのです。
高齢になると灯油の補充が大変になります。
しかし、寒さが身に染みる高齢者の方は24時間ストーブをつけているというケースもあり、取り扱いに難儀しているからとか経費がかかるからという理由で暖房機器をやめるということはできません。
安全でコストも安い暖房機器はどのような物でしょう。
今回は高齢者の冬の生活に役立つ暖房について見ていきます。

目次
火気の心配がないこたつ
こたつは特別使い方を誤らなければ、火気の心配がない安全な暖房機器だと言えます。
最近では一人用のこたつや、膝が痛い人でも使用しやすいダイニングテーブルほどの高さがあり、椅子に腰かけて使用できるこたつもあります。
また、こたつの電気代はどのくらい安いのかというと、家電製品販売のコイズミによるとホットカーペットの電気代は電気毛布の約6倍、こたつと比較すると2.3倍ということなのでこたつの電気代金がいかに安いのかということが分かります。
電気毛布の電気代 1時間当たり約2.03円
ホットカーペットの電気代金 1時間当たり約12.2円
こたつとエアコンを併用した時の電気代金 1時間あたり約11円
参考元:価格.com
これらの電気料金から考えると、春まで積雪がある北海道や東北や北陸など以外の地方ではこたつとエアコンの併用で安全に冬を越すことができるのではないでしょうか。
人感センサー付き省エネ セラミックファンヒーター
セラミックファンヒーターはトイレや脱衣室などにおいて、家内の寒暖差を和らげるために役に立ちます。
最近は動力や性能が多様で、居間や寝室などを手早く温めることができる商品もあります。
ファンヒーターは温風を感じる分、電気ストーブやパネルヒーターよりも温かく感じます。

人感センサー付きのも物は、人の動きによって自動で電源をオン・オフできるので安全で省エネにも優れています。
セラミックファンヒーターの利点を考えると一人暮らしや高齢者の方からのニーズが高い製品といえます。
ただし、電気代金が比較的高いので、短時間で狭いスペースを温める目的や他の暖房機器との併用など使い方の工夫が必要です。
暖房機器以外の工夫 窓にひと工夫を
暖房機器以外の方法で冬期間の室内の温度を上げる工夫は、部屋の気密性を高めることがポイントになります。
冷たい外気の侵入を防止し、部屋の暖かい空気が逃げる工夫が必要です。
窓に工夫1. アルミシートを貼る
アルミシートは熱を通しにくく保温性に優れています。
両面テープなどで窓枠をカバーするとどうでしょう。
アルミシートだと部屋が暗くなってしまうという場合は、緩衝材にも使われている通称・プチプチを使用しても良いでしょう。
アルミシートと同様の効果を得ることができます。
窓に工夫2. 隙間テープを貼る

窓のサッシやドアの隙間に隙間テープを貼るだけで、冷たい空気の侵入をだいぶ防ぐことができます。
市販の隙間テープは幅も長さもさまざまです。
両面テープがあらかじめ貼り付けられているので何かと使いやすいです。
高い費用をかけずに工夫しましょう
寒い時期になると暖房の工夫が必要なります。
高齢者の方が安全に快適に冬を過ごすことができるよう、住居環境や本人の状態にあった商品選びが大切です。
最後に紹介した窓や戸の隙間の工夫の他にも、フローリングの床に絨毯を敷くなど、高い費用をかけずにできる工夫も見逃さない様にしましょう。
細かい配慮と感じるかもしれませんが、このひと手間で電気代を抑えることと合わせて、暖かく過ごすことができるのですから、できることからぜひ取り入れてみてください。(執筆者:佐々木 政子)